短編

□スターチス
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momo side


「わっ、モモ先輩とサナ先輩だ!」
「ほんまや!今日もめっちゃ綺麗!!」


幼馴染のサナといつも通り一緒に登校すれば、いつも通り後輩たちが私達を見て目を輝かせていた。
ダンス部で、1年のときからステージに立ったりしていたから、他の部活の子たちよりは目立っていたのは自覚していた。
だけど、私達を見る後輩は皆、「綺麗」だとか「可愛い」だとか口をそろえて言っている。


『たしかに、さーたんはめっちゃ可愛いけどなぁ…』
「えっ、いきなりどしたん!ももりんがそんなこと言うなんて珍しいやん。」


思わず心の声が出てしまって、隣を歩くサナは驚きながらも嬉しそうに笑った。


『さーたんが犬やったら今頃しっぽどっか飛んでってんで。』
「ふふっ、何言うてるん!あ、あれって名井さんやない?」


教室に入ろうとすると、サナが窓から中庭を見下ろしてそういった。
私もつられて窓から顔を出すと、そこには名井さんと後輩らしき男子生徒がいた。
名井さん。下の名前はたしか、ミナ...やったっけ。
うちの学校で、私達と同じく目立っている生徒。
名井さんはたしか帰宅部。でも入学当初から、美人でスタイルのいい生徒がいると話題になっていた。


『告白やんな。名井さんモテるなぁ。』
「せやな。あ、やば!チャイム鳴る!!」
『えっ、ちょ、さーたん!』


ぼーっと名井さんを眺めていたら、もう始業のチャイムが鳴る直前で、サナに腕を引っ張られて教室に入った。
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