ふしぎ遊戯夢小説

□二次元。
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ふしぎ遊戯の漫画に吸い込まれた僕の妹は紅南国という国の巫女になり朱雀七星士という仲間に出会った。漫画の世界で旅をしていくなか、妹は愛していた柳宿という朱雀七星士と恋仲になることができた。読んでいて僕まで幸せであったが心配もあった。そう、、これは二次元の世界、、僕もこの物語を知っている。
巫女と七星士は結ばれない。ましてや、柳宿がこちらの世界に来ることは無理だろう。
そして、、、、ついに別れはやって来た。妹は皆の死を食い止めた上に世界を救ったのだ、、。
柳宿とも片時も離れず、、、不器用な上、、、愛が爆発し過ぎた時もあったが柳宿は妹の全てを飲み込み離れなかった上、妹の性格の歪みまでも直していった。
別れの時、、また合う約束をしたが一年たった今も会えていない。
妹は柳宿と会えなくなり身体が弱っていった、、僕のことも忘れてしまった。

(、、、今夜が峠でしょう、、、)

医師から伝えられ僕は、妹のために決意した。

(本当は、、、僕の名前を呼んで欲しい、、、僕の事をみて欲しい、、、)
だけど!!

僕は柳宿のコスプレをして妹がいる病室へと足を運んだ。

ガラガラガラと扉を開ける。

[ぬりこ?、、、]

[?!、、、]

久しぶりに聞いた妹の声。

僕は椅子に座り手を握ってやった。

[、、、えぇ、、、久しぶりね、、、会いたかったわ。]

すると、僕と目が合った。

(気づいて欲しい、、、僕だって。
柳宿ではなくてお兄ちゃんって呼んで欲しい、、、)

[ぬりこ、、、あいしてるの、、、ちゃんとわかってる?、、、こわいよ]

[えぇ、、、わかってるわぁ、、、私もね、、、愛しているわ、、、それと、、、、何も怖いこと何かないのよ?、、、大丈夫よ]

[う、、、ん、、]

[、、、だから目、、、閉じてなさい、、、疲れたでしょ]

僕は妹の目頭に手を置く。

(これ以上、妹と目を合わせるのが辛かった、、、怒鳴り散らかしそうで、、、押さえられなそうで、、自分が怖かった)

[、、きもちいよ、、、ひんやりしてて、、、変わらないや笑、、、もっと、、、右手を強く、、、にぎって?]

(僕の手は、、、ひんやり何かしてないよ、、、暖かいよ、、、]

こうして、、、何時間かたった時に妹の終わりを告げる鐘がなった。

妹は終わりを告げる前、、、こう言った。

[ありがとう、、、              







         ぬりこ 、、、)

一粒の涙を流し、、、一度も僕の名を言わず、、、幸せそうに終わりを告げた。


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