中編@(完結)

□驚愕
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さくちゃんが口を開き、何かを言おうとした瞬間


「お時間で〜す。」


俺は、係員さんに剥がされた。


「えっ、あっ。」


「あっ。」


2人揃って、戸惑いの声を出してしまう。


そのまま、俺はレーンの外に出る。


そして……


握手の回数、2回に分けて良かった〜


心底、そう思った。


ていうか、筒井さんと同じ枚数出したのに、体感時間は、全く違った。


握手会って不思議なイベントやな……。


再び、さくちゃんのレーンに入った俺は今日3回目となる、係員さんとの身分証明書と握手券の確認をする。


とりあえず、さっきの握手みたいになるのは避けたい。


あれって言わゆる事故って言うやつだろう。


ブルル


ズボンのポケットに入れておいた携帯が震える。


LINEの新着メッセージがありますという表示。


相手は丸原。


【みょうじくん、どうしよう。】


【与田ちゃん、可愛すぎて死にそう。】


正直……どうでもいい内容だった。


俺は、


【良かったな。】


それだけ返しておく。


…って、そんな場合じゃない。


2回目の握手。


何、話そかな。


どんな話題やったら、さくちゃんとスムーズに話せるか……。


…って、俺もすっかりオタクだな。


思わず、1人で苦笑いしてしまう。


まぁ、いざとなったら釣ってもらおか。


1部の受付時間が、そろそろ終わるということで会場が少しバタつく中、俺の番が近づいてきた。


その時、チラッと隣のレーンにいる田村さんが見えた。


すげぇ、可愛ええ。


やっぱり、アイドルってテレビで見るのも可愛いけど、生の破壊力すげぇな。


もういいや。


色々、考えるよりも思ったことを、そのまま言おっと。


それの方が楽しめる気がする。


よっしゃ。


「次の方〜。」


係員さんに券を、今度は2枚渡す。


「ありがとう〜。またね〜。」


さくちゃんは、前の人に神対応していた。


てか、何でパジャマなんやろ。


改めて、そう思う。


「やっほ〜、さくちゃん。2回目〜。」
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