中編@(完結)

□手料理
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何をしているか……

まぁ、台所に立ってるんだから料理に決まってる。

何か温かい料理でも用意した方がええか。

そう考えるながら、冷蔵庫を開くと、豚バラ肉にごぼうに、人参……。

これは、もう豚汁を作れっていう神からのメッセージだろう。

てか、普段から料理しといて良かった〜。

自分で言うのはなんやけど、一人暮らしの男にしては、料理の腕前はそこそこええ方やろな〜。

フッフッフーン。

カッカッカッ。

鼻歌を歌いつつ、リズム良く人参を切っていると、




「あの〜。」

後ろから声をかけられる。

「はいはい〜。」

思わず、能天気に返事をしてしまう。

「お風呂頂きました、ありがとうございます。」

振り返ると、さくちゃんが頭を下げていた。

そんなさくちゃんが着ている服は、俺の服だからサイズ感はめちゃくちゃだ。

下はジャージだから何とかなんなるけど、上は何とかならなかった。

ダボダボ……いわゆる、萌え袖状態。

「……。」

「……どうかした?」

さくちゃんが小首を傾げる。

「あっいや。別に……。」

そう言いつつ、俺は料理に戻る。

やべぇ、破壊力抜群じゃねぇか……。

お風呂上がりっていうのも相まって、強すぎる。




「どうしたの〜?」

すると、横から顔を覗かれる。

ちょっと待て……

これは反則や。

このままやったら、料理の手順ミスって怪我してしまいそうや……

「あ〜、さくちゃんは……ソファーにでも座っといて〜。」

ソファーを指さしつつ、そう指示を出す。

「……何か手伝うこととかないかな?」

けれど、さくちゃんは俺の隣から、まだ離れない。

ええ子やな。

「大丈夫やで、ありがとう。」

「……分かりました。」

少し不服そう…?にも見えたけど、さくちゃんはソファーの方に向かう。

そして、俺は、豚汁を完成させて机に持っていく。

「とりあえず、簡単な物しか用意出来んかったけど、これで身体温めて〜。」

「……ありがとう。」

お椀によそって、さくちゃんに差し出す。

さくちゃんが1口食べる。

そして……

「……あったかいし、凄い美味しい。」

そう言ってくれる。

「良かった〜。」

冬場に作って以来やから、久しぶりやったけど上手く作れてよかった。
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