中編@(完結)
□友達......?
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「あの時、私、全然目立ててなかったですよね。」
遠藤さんの声が、どんどん沈でいく。
「まぁ、あれは、北川さんと掛橋さんとかが、衝撃的すぎたっていうのもあるけどな〜」
北川さんのコメントは独創的やったし、掛橋さんのコケっぷりも中々だった。
丸原も、あのコケっぷりを、見て好きになったとか言ってたし。
「はぁ……どうしよう。」
「あっ、でも、遠藤さんも良かったよ?」
流石に、フォローしておく。
「……どこが、良かったですか?」
沈んだ声で、問われる。
「あっえーっと……。」
「無理して褒めなくて大丈夫です……」
やべぇ、ちょっと言葉に詰まったせいで、逆に傷つけてる。
「いやいやいや、良かったところあったで」
「……どこですか?」
「ツインテールが似合ってたよ。」
「……ほんとですか?」
「うん、ほんまやで、素直に可愛いと思ったで。」
できるだけ、明るく言う。
てか、普通に可愛かったし。
「……。」
「……あれ?聞こえてる?」
「……聞こえてます……。」
なんか……遠藤さんの声が少し弾んだ気がする。
良かった、俺の回答は、間違ってなかったようだ。
……まぁ、こんな感じで、時々、アイドルらしい悩みを聞くことがあって、その度に、遠藤さんがアイドルであることを思い知らされた。
でも、普段は、あまりにも他愛もない話しすぎて、遠藤さんがアイドルであることを忘れかけてしまう。
というか、なんだろう。
1人の女友達って感じなんだよなぁ。
まぁ、いいか。
少なくとも、友達の少ない俺にとって、遠藤さんの存在は、少しずつ、大きくなっていっていることは間違いなかった。