中編@(完結)
□バイト仲間?
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って
「えっ、何で俺の名前……?」
「そのっ、名札……。」
「あっ、なるほど。」
俺の胸には、カフェの名札が付いていた。
「あの、帰り迷ったら大変なので待っててもらっていいですか?」
遠藤さんの顔は真っ赤だ。
「あっ、いいですよ。」
「ありがとうございます。」
そう言うと、遠藤さんは忙しなくトイレに入った。
まさかアイドルをトイレに案内する日が来るとは……。
しかも、そのアイドルが、たまたま最近知った遠藤さんという……。
……
そこから、少し時間が経って、
「すみません、お待たせしました。」
遠藤さんが出てきた。
「あ〜、全然大丈夫ですよ。」
俺は、そう言いつつポケットから、ハンカチを取り出して、遠藤さんに差し出した。
「えっ?」
「ハンカチ持ってないんでしょ。」
遠藤さんの手に少し水滴が付いていた。
「あっ、ありがとうございます。」
遠藤さんは、ハンカチを、受け取って手を拭く。
「じゃあ、戻りましょか。」
「はい。」
俺の後ろを、遠藤さんがハンカチで手を拭きながら付いてくる。