中編@(完結)
□バイト仲間?
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「もしかして、遠藤……さくらさん?」
「あっ、はい。遠藤さくらです。」
少し照れながら、遠藤さんが答える。
「うそぉ……」
「ほ、本当です。」
にわかに信じられない……。
でも、京セラのライブで見た気がする。
「ていうか、イベント?」
「はい、後で聖来とトークショーを……」
「聖来?」
「あっ、早川聖来ちゃんです。同じ4期生の……」
あれっ?
もしかして、さっき控え室から出る時にぶつかりかけたスタイルのいい女の子って……
「あっ、あの……。」
遠藤さんが小声で声をかけてきた。
「はいっ、どうしましたか?」
「お手洗……」
遠藤さんが少し顔を赤らめて、俯いていた。
「あっ、すみません。こっちです。」
そうだ、案内中だった。俺は、早歩きでトイレに向かって、
「ここです。ここっ。」
ようやくたどりついた。
「あっ、ありがとうございます。」
遠藤さんが、ぺこりと頭を下げる。
「それじゃっ。」
俺は、カートを押しつつ戻ろうとすると、
「あっ、あのみょうじさんっ。」
後ろから、声をかけられた。