中編@(完結)
□普段の俺。
3ページ/4ページ
安野さんが、俺の言葉を聞かずに肩を叩きながら笑う。
「……。」
安野さんって結構適当なんだよな〜。
まぁ、それ以外はいい人だから嫌いにはなれないんだけど。
「おーい、2人とも、今日は上がっていいよ〜。」
店の奥から、店長が声をかけてくる。
「は〜い、お疲れ様です。」
「お先で〜す。」
俺と安野さんは、店の奥から従業員用の通路を通って更衣室に向かう。
「今日は、お客さん少なかったすね。」
「そうやな〜。」
大体、店の奥の扉から更衣室まで、5分くらいの距離だ。
従業員トイレは更衣室から、さらに5分くらいかかるかは、まぁまぁ遠いんだよなぁ。
「安野さんって、好きな女優さんとかいるんすか?」
「おーん、俺は広瀬すずかな〜。」
「あ〜、海街diaryの妹の子ですよね〜。」
大体、いつも、こんな他愛もない話をしている。
そして、こんな話をしていると、
さっきまでの会話を忘れてしまう。
だから、乃木坂にハマるということを忘れてしまっていた。
それから1ヶ月くらい、乃木坂の曲をめっちゃ聞くとか、番組を見るとかいうこともなく過ぎていった。
そんな中、ある日、丸原がLINEをしてきた。