中編@(完結)
□普段の俺。
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親友は2人いて、1人は東京、もう1人は福岡に住んでいる。
「じゃあ、つまり、関西には友達が居ないっていうわけ?」
「まぁ……そうなりますね。」
そう考えたら、そうか。
大学で話す奴は、ゼミが一緒のやつか丸原くらいか。
「そっか〜。お兄さん心配だよ〜。」
「そうっすか?別に、今の生活楽しいんで気にしないっすよ。」
「まぁ、そうか〜。」
安野さんが、納得してくれる。
ちなみに、今、話している場所は店のカウンターだ。
平日の夕方ということで、たまたま、お客さんは居なかった。
「ていうか、なまえは、それから乃木坂にハマったわけ?」
ハマった……のか?
ライブから3日が経ったけど、あの日以来、乃木坂の曲をずっと聞いてない。
でも、たまたま付けたテレビに乃木坂の誰かが出てると、その番組を見るようにはなった。
昨日は、乃木坂のメンバーがバイトのCMに出てるのを目撃した。
でも、それが誰かなのかは分からない。
「ハマってはないかもしれないっす。」
素直に答えると、
「じゃあさ。ハマってみたら?」
安野さんは、笑いながら言う。
「えっ?」
何か、ちょっとよく分からない。
「いや〜、正直、俺も乃木坂のこととか、よく知らんけど、今人気の乃木坂のことに詳しくなれば、友達できるやろ。」
「いや、別に友達が欲しいわけじゃ……」
「じゃあ、決まりな。」