長編(坂道×野球)

□第9話
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「「「……」」」

再び、沈黙が起こる。

「ちょっ、真夏さん。」

「大丈夫、良太君なら、抑えられるよ。」

小声で、真夏さんに話しかけたけど、
良太君なら出来るよっの一点張りだ。

しょうがない、やるしかない。

俺は、持ってきたバックからグローブを取りだしマウンドに向かう。

マウンドに立つなんて、何年ぶりだろ。
少なくとも8年は経ってるな。

マウンドの傾斜を確認しつつ、

「誰か、キャッチャーやってくれない?」

マウンドから、呼びかけると、

「……あっ、じゃあ、私やりましょうか?」

1人の選手が手を挙げてくれた。

あの子は……高山さんか。

真夏さんが、ホームランバッターって言ってたな。

「ありがとう。」

「いえいえ、私は本条さんのこと、別に敵視もしてないですから〜。」

少し引き笑いをしつつ、笑顔で話してくれる。

この子、ええ子やな。

高山さんがプロテクターを取り付ける。

その時に、

「ねぇ、高山さん。球種のことなんやけど。」

「呼び捨てでいいですよ〜。」

またしても引き笑いで笑う高山さんに、
俺は作戦を伝えに行く。

「っえ?!!」

「分かった?」

「まぁ、私は分かりましたけど、いいんですか?それで。」

「うん。」

驚く高山さんをよそに俺は、マウンドに戻った。
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