長編(坂道×野球)
□第6話
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「よく、覚えてたね。」
真夏さんが、少し目を大きくして、驚く。
「いや、まぁ、記憶力は自信あるほうなんで。」
俺は、人の名前と顔、後、興味を持ったことに関しては、覚えることが早いのだ。
まぁ、それはおいといて
「で、そのチームスターダストがどうかしたの?」
「あっ、うん。チームスターダストも、元々は私達と一緒で教育リーグにいたの。」
「切磋琢磨してたんやね。」
「うん。そうなの。」
真夏さんが、深く頷く。
何だか、懐かしそうに。
「で、そんな、ある日GBLの2チームが、人数不足が原因で撤退することが決まったの。」
再び、玲香さんが話しだす。
「そんなことは、前代未聞の出来事で、運営の人達は、すごく頭を悩ませたらしいの。」
「まぁ、プロ野球でも、昔、1つの球団が無くなるってなった時、大変なことになったくらいだし。2つとなるとね…」
「その結果、運営の人達が出した決断はね、当時、教育リーグでライバル関係にあった、私達チーム乃木とチームスターダストをGBLに昇格させる事だったの。」
「そうなんや。」
まぁ、悪い言い方をしてしまうと、穴埋めの為に、上げることになったんやな……
「その決定に長年GBLを目指して頑張ってきたチームスターダストは、物凄く喜んでいた。でも、私達は複雑な心境だったの。」
「そうなんや。」
「うん。だから、私達は、チームの結成当初から私達のことを鍛えてくれていた監督に、私達の思いの丈を伝えたの。」