中編@(完結)

□驚愕
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すげぇ……


丸原と別れた俺の目に入ってきたのは、


人、人、人。


さっきの筒井さんのレーンも凄かったけど、さくちゃんのレーンもすげぇ人やな……。


「なぁ、丸原。4期生の中で、誰が握手会人気なん?」


「えっ……とぉ、そうだな〜。今は、さくちゃん、かっきー、あやめん、真佑ちゃん、さーちゃんの5人の売れ行きが良いかな〜。」


丸原と、そんな会話をしたことを思い出す。


係員さんと、また握手券と身分証明書の確認をする。


今回、持っている握手券は3枚。


まだ、受付時間終了まで余裕あんな……。


そう思った俺は、とりあえず1枚だけ出すことにした。


さっきの筒井さんとの握手。


CD1枚で、大体1000円ぐらい。


それで、あれだけの会話のやり取りをアイドルと出来るんや……。


そう考えたら、安いんかもな〜。


てか、丸原……。


結構買ってたけど、回りきれんのかなぁ。


時間内に回りきれんかったら、あの握手券が紙切れになるもんなぁ。


そして……。


いよいよ…


俺の番かぁ……。


係員さんに握手券を見せ、目に入ってきのは、


「……ありがとう〜。」


笑顔で、ファンの人と握手をする


さくちゃんの姿。


って……パジャマ?!


思わず、2度見してしまう。


……やっぱりパジャマを着ていた。


しかも、フード被ってる。


可愛い……。


「……また、来てね〜。」


そう言い、さくちゃんが前の人に手を振る。


そして、こっちを見て……


「…………ふぇ?!」


目を見開いて、変な声を出した。


「何、その声。」


思わず笑ってしまいながら、俺は手を出す。


さくちゃんも手を出してくれたけど……


「……。」


固まってしまっている。


「その服、可愛いね。」


とりあえず、褒めとこ。


「………………。」


さくちゃんは固まったままだ。


フードのせいで、顔全体が見えなくて、さくちゃんの感情が分からない。


…………あれ?


もしかして、怒らせちゃったかな……。


そう考えたら、途端に不安になる。


「……あっ」
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