中編@(完結)
□異変
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最近、さくちゃんがおかしい。
そう思うようになったのは、ここ数日のことだ。
前までは、
「ねぇ、なまえくん。」
「どうしたん?」
「今日ね、美緒ちゃんがね……」
とか、
「ねぇねぇ、なまえくん聞いて〜。」
「どうしたん?」
「今度ね、神戸にロケに行くことになったんだぁ〜。」
「えっ、ホンマに?」
「うん、凄い楽しみなんだ〜。」
とか、凄い楽しそうに俺に普段の話をしてくれていたのに、
最近は、
「そういえば、さくちゃん。神戸はどうやった〜?」
「…………」
「さくちゃん?」
「あっ、ごめん。聞いてなかった。ごめんね。」
「あっ、いや、別にいいんやけど。」
心ここに在らずという感じだ。
ちょっと、元気がないようにも見える。
「さくちゃんどうしたん?何かあった?」
「大丈夫だよ。ごめんね、ちょっと疲れちゃったから、今日は寝るね。」
「あっ、うん。分かった。」
そして、前までは中々電話を切ろうとしなかったのに、ここ最近はさくちゃんの方から、切るようになったのだ。
どうしたんやろか……
でも、芸能界のことなんて分からないから、下手に突っ込むべきじゃないんやろな……
そして毎日していた電話は、ある日を境に無くなった。
心配な気持ちはあるけど、こっちからは連絡しないという約束があったから、どうもしようもなかった。
……
「……みょうじくん?」
「……」
「みょうじくん?」
「おん、何?」
呼ばれた方を見ると、丸原が何やら戸惑っていた。
「い、いや、今度の握手会についてなんだけど、ちょっと朝早めに行くかもしれないんだけどいいかな?」
「あぁ、別にええけど。」
あっ、そやった。丸原と来月の握手会について話してるんやった。
「どうしたん?元気ないけど。」
「いや、別になんもないで。」
なんでやろ。
なんか、モヤモヤすんな〜。