中編@(完結)

□みたらし団子とたこ焼きを
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ガラガラガラ

平日の夕方。

週末に比べたら、人通りは少ないショッピングモールで、俺は台車を押す。

台車の上には、コーヒー、みたらし団子、
それから、ナポリタンが乗っている。

さっきから、すれ違う人にジロジロ見られるんだよなぁ。

店長から貰った地図……。その行き先は、店の反対側にある従業員専用の控え室だった。

さっさと行こっ

てか、誰かおんのかな〜。

こんなこと初めてやから、よく分からんなぁ。

そうこうしているうちに、従業員専用の控え室についた。

ここか……

控え室の扉を開けると、スーツ姿の人が何人かと、ジャケットを来た人達が何人かいた。

そして、一斉に俺の方を見る。

「あっ、あの〜。」

思わず、丸原みたいになってしまう。

「どちら様ですか?」

その中の1人の強面のスーツ姿の男が尋ねる。

「いや、先程、注文されたコーヒーとナポリタンとみたらし団子を持って来ました。」

思わず、俺に緊張が走る。

「あ〜、ありがとうございます。」

強面から笑顔になる。

「では、ここに置いときますね。」

「はい、お願いします。」

テーブルの上に3品を並べて、俺は台車を押しつつ外に出ようと背を向けた。
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