中編@(完結)
□普段の俺。
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「なんてことが、この前、あったんすよねぇ。」
「へぇ、中々充実した休日過ごしてるやん。」
「まぁ、充実はしてましたけど。」
3日後の夕方
俺は、バイト先の先輩である安野さんに、ライブ事を話していた。
「いや〜、良かった、良かった。なまえが、友達と乃木坂のライブか〜。」
「いや、友達っていうわけじゃ……」
安野さんは、俺の2つ年上で、いつも俺の事を可愛がってくれる。
で、そんな安野さんと俺が働いているのは、大型ショッピングモールの最上階の隅にあるカフェの店員だ。
店の広さは、そんなに広くないけど、昔ながらのナポリタン、味に深みのあるコーヒーの2品が人気で、そこそこのお客さんが来てくれて、ありがたいことに経営面では苦労していないらしい。
「普段、なまえから、こういう友達の話とか聞かんから安心したわ。」
「いや、別に友達とかじゃ……。」
「いつも、1人で映画行きましたとかしか、聞かんから心配してたんやで。」
安野さんが喜んでくれている。
「いや〜、友達自体はいるんですけど、今、遠くに行ってるんですよ〜。」
そう、居ないわけではないのだ。