中編@(完結)

□普段の俺。
1ページ/4ページ


「なんてことが、この前、あったんすよねぇ。」

「へぇ、中々充実した休日過ごしてるやん。」

「まぁ、充実はしてましたけど。」

3日後の夕方

俺は、バイト先の先輩である安野さんに、ライブ事を話していた。

「いや〜、良かった、良かった。なまえが、友達と乃木坂のライブか〜。」

「いや、友達っていうわけじゃ……」

安野さんは、俺の2つ年上で、いつも俺の事を可愛がってくれる。

で、そんな安野さんと俺が働いているのは、大型ショッピングモールの最上階の隅にあるカフェの店員だ。

店の広さは、そんなに広くないけど、昔ながらのナポリタン、味に深みのあるコーヒーの2品が人気で、そこそこのお客さんが来てくれて、ありがたいことに経営面では苦労していないらしい。

「普段、なまえから、こういう友達の話とか聞かんから安心したわ。」

「いや、別に友達とかじゃ……。」

「いつも、1人で映画行きましたとかしか、聞かんから心配してたんやで。」

安野さんが喜んでくれている。

「いや〜、友達自体はいるんですけど、今、遠くに行ってるんですよ〜。」

そう、居ないわけではないのだ。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ