中編@(完結)

□大行列
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「すげぇ……」

思わず呟いてしまう。

「ぼっ、僕は、慣れてるんだけど。」

「まじか。お前、毎回こんなん並んでんの?」

「う、うん。」

さっきから、何をすごいと言ってるのか。

その答えは物販の列の長さだ。

かれこれ2時間くらい並んでる気がする。

軽い気持ちで、俺も何か買うわーとか言うんじゃなかった。

「丸原は、何を買うの?」

「ぼ、僕はね、タオルとTシャツと生写真かな〜」

「そういうのって、いくら位かかんの?」

「てぃ、Tシャツはね。3000円くらいで、
タオルは2500円くらいだよ。」

「へぇ、まぁ、そんなもんか。」

あっ、ちなみに。

さっき、丸原がグッズ代も出すとか、言ってきたんだけど、さすがに申し訳なくなって断った。

「あっ、あの。みょうじくん。」

「何?」

「タッ、タオルなんだけど。」

「おん。」

「グ、グループのやつ、と個人のやつがあるんだけど、どっち買うの?」

「へぇ、そうなんや。」

「う、うん。」

こういう時は無難にグループのやつを買えばええんかな。

そんなことを考えていると、あっという間に列は進み、後10人で俺達の番になった。
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