中編@(完結)
□突然のお誘い
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キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げる鐘がなる。
「じゃあ、本日の講義は、これにて終了。
さっき言った課題は1週間後までに提出しとくこと。」
教授がチョークを片付けつつ出ていく。
俺は、さっさと教科書とパソコンを片付けて、席を立つ。
教室の後ろのドアから廊下に出る。
時刻は、12時20分。
講義は1限と2限だけだから、今日はもう帰るだけだ。
「…………ーん。」
学食でも食って帰るか……。
「ちょっ、ちょっと。みょうじくーん。」
「うん?」
呼ぼれた方向を見ると、1人の男がいた。
「ハァハァハァハァ、やっと……気づいてくれた……」
今、肩で息をしていて、丸メガネで、太っているこの男……。
「何か用?」
名前は、丸原孝太。
そして、大学内で、俺が、唯一、話すやつだ。
「いっいや。大した用じゃないんだけど……」
「じゃあ、いいや。」
と言っても、別に友達なわけではない。
俺は、背を向けて先を行こうとしたけど、
「あっ、いや、ごめん、ごめん。待って待って」
丸原が、急いで俺の前に立ちはだかる。
「何?」
「い、いや。あのね。みょうじくんにお願いがあるんだけど……」