長編(坂道×野球)
□第15話
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「失礼しま〜す。」
真夏さんの電話の相手は、それからすぐにやってきた。
「生駒さん、おはよう。」
「良太さん、おはようございまーす。」
ショートカットが似合う、ボーイッシュな女の子だ。
「ていうか、もう、自主練してた?」
「はい、若月と蘭世とバッティング練習してました。」
「朝早くから、偉いな。」
練習が始まるまで、もうちょっとある。
「いえいえ〜、それほどでも〜。」
生駒さんが手を頭にやりつつ、照れる。
「で、生駒ちゃん。さっき電話で話したことだけど。」
「あっ、他のチームの人との繋がりの話だよね。」
真夏さんの言葉に、生駒さんは本来の目的を実行する。
そして、
「あっ、もしもし、お久しぶりです……」
どこかに電話をかける。
「あっ、私ですか……元気ですよ〜。あっ、まぁ……ぼちぼちかもです。あはは……」
どうやら、色々と話は進んでいる。
そして、
「では、お願いしますね〜。ありがとうございます〜。」
何かが決まったらしい。
「あの〜、生駒さん?」
「良太さん、色々と決まりましたよ〜。」
生駒さんが、笑顔で教えてくれる。