長編(坂道×野球)
□第13話
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翌朝、俺は、いつもより少し早い時間帯に河川敷に来て、土手に寝転びながら、空を見上げていた。
そんな俺が着ている上着のポケットには、昨日、西野さんに返しそこねたボールが入っていた。
西野さんが果たしていつ来るのか……
そんなことが分かるわけがなかったから、
今朝は普段より早めに来たのだ。
普段、俺がこの河川敷に来るのが、
大体7時くらい。
そこからストレッチとかを10分くらいするのだ。
で、前にも言った通り、
真夏さんとみり愛さんが朝ごはんを持ってきてくれる7時30分には家にいなくちゃいけないから、ストレッチだけを終えて、すぐに帰る。
遅れたら、みり愛さんに結構怒られるんだよな……
真夏さんは何故か俺に甘い気がするから、
みり愛さんみたいな子がいるおかげで、だらけずに済んで気がする……
左腕に付けた腕時計を見ると、7時。
昨日までなら、西野さんは、もう投げてる時間だ。
いつも西野さんが壁当てをしている高架下には誰もいない。
やっぱり、昨日声掛けたのがあかんかったか……
俺は、そんなことを考えつつ、起き上がろうとすると、
「……どろぼう……」
後ろから、何か聞こえた気がした。
「えっ?」
振り返ると、そこには、西野さんがいた。