長編(坂道×野球)
□第8話
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「なるほどね。」
結構色々と個性がありそうやな。
「どう、みんなのこと分かってくれた?」
いつの間にか眼鏡を外した真夏さんが
俺に尋ねる。
「うん、ありがとっ。」
今の情報と練習を元に、春季リーグのスタメンとか、考えるか……。
後、今いない選手も、なんとかしてチームに戻さないとな〜。
白石さんとか、どうやったら戻ってくれるんやろ……
いや、本条良太!
クヨクヨする前にまず行動だっ!
「よしっ。」
「うわっ。」
「えっ何?!」
突然、大声をあげた俺に真夏さんとみり愛さんが驚く。
「とりあえず、今日の練習頑張ろっ。」
今、練習に参加してくれてる選手達は、日奈子さんのおかけで、名前呼びになった後輩メンバーとか、新しい監督としての俺を敵視していない初期メンバー達だ。
俺は、そう思って、やる気を満タンにして、グラウンドに向かったんだけど……
・
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「おはよう〜っ。」
グラウンドに到着した俺が挨拶をすると、1人の選手が、こっちに走ってきた。
あっ、この子は……。
そうだ。若月さんだ。キャップと仲のいい選手だ。
「あのっ。本条さん。」
「あっはい。てか、呼び名、監督でいいよ。」
俺は、笑顔でそう言ったんだけど、
「いや、違うんです。実は……まだ私、本条さんのこと、監督として認めてないんですけど。」
真剣な顔つきでそんなことを言われてしまった。
「……」
突然の出来事に俺が固まってると、
いつの間にか、若月さんの後ろに集まった選手の中の、
「あのっ、申し訳ないんですけど、それは私も……」
「実は……」
何人かが、若月さんの後ろで声をあげた。
あぁ……。また、大変なことになってる気がするんやけど……。