長編(坂道×野球)

□第8話
1ページ/7ページ


朝6時半。

俺は、河川敷を走っていた。

昨日の夜、グーグルで調べてみたら、近くに河川敷があることが分かったから、走りに来たのだ。

徐々にスピードを落としていって、息を整えて

「んー。」

朝日に向かって、体を伸ばす。

昨日、真剣に監督業に取り組もうと決めたのに、全く動けなかったら、話にならない。

だから、俺は、久しぶりに体を動かしに来ていたのだ。

「よっこらせっと。」

河川敷に腰を下ろしつつ、俺は、昨日の夜のことを思い出した。





昨日の夜。

プルルル、プルルル。

真夏さんと花奈さんが、晩御飯を持ってきてくれた後、俺は、電話をかけていた。

「はいっ、こちら、秋元。」

そう、秋元さんに。

あっ、もちろん真夏さんのことでは無い。
秋元康さんの方だ。

「もしもし、秋元さん本条です。」

「やぁやぁ、2日ぶりか。チーム乃木の監督さん。何かようか。」

何か茶化されたような……まぁいいか。

「今、ちょっとお時間大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。」

「色々、聞きたいことがあるんですけど……。じゃあ、まず何でチーム乃木の現状を教えてくれんかったんですか?」

こんな、ちょっとややこしいことになってるチームがあるとは聞いたけど、ここまでとは思ってなかった。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ