長編(坂道×野球)
□第5話
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チュンチュン
と外からスズメが鳴く声がする。
それと同時に、
ジリリリリリリリリリリ
俺の携帯のアラームも鳴り出した。
「よっこいっせと」
俺は、アラームのスヌーズ機能も解除しつつ、体を起こした。
時刻は、7時30分。
チーム乃木は、毎日9時から午前練をするらしくて、俺もそれに参加する為に昨日は大体22時くらいに寝た。
布団を畳んだり、着替えをしたりしていると、
リーンゴーン
玄関ベルが鳴った。
「はい、はーい。」
ドアを開けると、
「「おはようございま〜す。」」
真夏さんと、みり愛さんが、朝食を持ってきてくれた。
昨日の夜、これから毎日、朝昼晩の食事を作って、届けてくれることになったのだ。
「あっ、ありがとう〜。」
「いえいえ。あっ、良太君。
寝癖ついてるよ〜。」
みり愛さんが笑う。
「えっ、まじで」
「うん、ほら。」
みり愛さんが、ポケットから手鏡を出して見せてくれる。
「ほんまや。」
後頭部の方が、ぴょんとはねていた。
「良太君。身だしなみはちゃんとした方がいいよ〜」
真夏さんは、そう言いながら、洗面所の方に向かう。
そして、手を少し濡らして、戻ってきた。