中編A

□第1話
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先生「よぉーっし、お前ら、座れ〜。」





教室の前のドアが開き、担任の今井先生が入ってきた。





俺たちは、それぞれ自分の席に座る。




今井「はいはい、みんな、おはよ〜」





「「「おはよ〜、ございま〜す。」」」





今井「早速、HR始めようと思うけど、その前に、今日から、このクラスに新しい仲間が増えるぞ〜。」




先生が、そう言うと同時に教室がザワつく。




今井「はいはーい、静かにしろ〜……よし、入っていいぞ〜。」




静かになった教室に、入口が開かれる音が響く。




そして、転校生が姿を見せる。




再び、教室がザワつき、




快「すげぇ、めっちゃ、美人…。」




快が思わず、そう呟くのが聞こえた。




口には、しなかったものの俺も同意見だ。




今井「よし、じゃあ、黒板に名前書いて〜。」




今度は、教室を静かにさせることなく、先生が指示を出す。




??「はいっ。」




その子は、元気よく返事をし、黒板にその名を記す。




今井「じゃあ、自己紹介して〜。」




名前を書き終えた彼女は、こっちを振り返り、笑顔で、




山下「東京から転校してきました、山下美月です。」




そう言い、




山下「昨日、こっちに来たばかりで、まだ、何も分かりません。皆さん、よろしくお願いします。」




頭を下げた。




今井「はい、拍手〜。」




教室が柔らかい拍手に包まれる。




今井「じゃあ、山下は…あの空いてる席。あそこ、座ってくれ。」





山下「はいっ!」




先生が指を指した空いている席。




その席に向けて、彼女が歩き出す。




そして、




山下「今日から、よろしくね。」




そう言い、隣の席の俺に笑顔で、声をかけた。




それが、彼女との出会いであり、あそこから、何の変哲のなかった俺の高校生活が、変化を始めたんだ。
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