ピカピカの1年生

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かなり大きな声で岡田くんが怒鳴った。


「な!何してるんですか!村山さん!!」

LINEでは、もう体調戻ったって書いてたけど、まだちょっと声が変。

「いやぁ、ホントにごめんなさい……」

自分がバカすぎて恥ずかしい……。
それに、二日酔いで頭が痛い。薬飲まなきゃ……。

プルルル!プルルル!
彩奈から電話。

「ん、なに?」

『おはよー。さっきね、昨日の、あの黄色の帽子のおじさんからLINE来てさー。五ツ星の創作北欧レストラン誘われちゃったんだけど……。ネットで調べたらそのレストランめっちゃ美味しそうで……。しかも、一般人だと予約は絶対にとれないらしくて、おじさんはキモいけど、レストラン行きたいし……それで……』

「うん。レストランだけ行けばいいんじゃない?」

『でもさー。おじさんに悪くない?』

「じゃあ、やめとけば?」

スタ、スタ。

かすれた声の岡田くんが怒った顔で近づいてきた。いつの間にか服を着ていて、真っ白なシャツのすそをズボンにインしている。

「なに電話なんかしてるんですか?!」

『きゃあ!なに?!彩希、男の人のとこに泊まってんの!?昨日の人!?どの人?どの人?』

「いや、昨日の人じゃなくて……」

『ゃー!誰?誰?誰?あ、もしかして、経理部の……』

「ちょっと!!」

岡田くんが、玄関マットに座る私を見下げて、めっちゃ怒った顔を向けていた。

「ごめん。切るね……」

『え!なに?なに?なに?ちょ……』

プーッ。プーッ。

「村山さん……。あなたはとんでもないことをしてしまったんですよ!?」

「ごめん、なさい」

「あぁ、若い女性が男の部屋で一晩過ごすだなんて、世間は一体どう思うか……。なにもなかったなんて通用しませんよ?」

「はい、私が全面的に悪いです。はい、」


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