喋らない魔女の林檎

□2ー3
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ゆうちゃんの身体は本当に男性のものになっていた。

お兄ちゃんは2人いるけど、大人の男性の象徴は見たことがなかったから、びっくりした。

「ゆうちゃん?」

「なに…」

「ゆうちゃん、私の事好きですか?」

「うん」

「私も、ゆうちゃんの事が好きです」

「あ、ありがと」

「多分なんですけど、これは、愛し合う2人が結ばれたら、元に戻るんですよ」

「はぁ!?ダメだよ、そんなの」

「いや、マンガとかだと多分そうなんですよ」

「そんなマンガあるの?ほんとに?」

「あるか分かりませんけど、多分そうです」

「そんな、なぁちゃんに迷惑かけられないよ」

「うーん。とりあえず、1回、出したら、元に戻るんじゃないですか?やってみて下さいよ」

「な、なに言ってんの!?」

「恥ずかしかったら、トイレで……」

「そんなこと、どうやるのよ!?」

「たぶん、こう手で擦るんですよ。イメージですけど」

かるく握った手を振って見せた。

「………」

「ゆうちゃん、目、瞑ってて下さい」

私は、戸惑う事なく そこに手を伸ばした。恥ずかしがっている場合じゃない。

「ん、、」

なんとなくの想像でそこを擦ってみた。

「どうですか?出そうですか?」

「ぅっ、んなの分かんないよっ」

おかしいな。マンガとかだと、男の人が"もう出る"とか言ってるのに。

「なんで、ですかね」

もっと早く手を動かしてみた。

「あっ、あぁ、、」

「どうですか?良い感じ?」

「んー」

「目、開けてみてください」

「なぁちゃん、、」

ゆうちゃんに見えるように舌を出して先っぽを舐めた。

「あっ、、」

ビクッ!ビクッ!ビクッ!・・・!!!!

「あひゃぁ、、はぁ、はぁ、ぁちゃん、ごめん、っ」

出た。これで元に戻るはず。

「大丈夫ですか?元に戻りそう?」

「…へぇ??」

「お風呂入って下さい。それで寝て朝起きたら元に戻るハズです!」

根拠は無いけど本当にそんな気がした。

「なぁちゃんが先に入ってよ。変なのいっぱい飛ばしちゃってごめんね。気持ち悪くない?」

「今は、ゆうちゃんが優先です。元に戻る事だけ考えて」

「わかった。お風呂借りるね」


「やっぱり、心配だから、私も一緒に入ります」

「ごめん、1人で入らせて。なぁちゃん、可愛いから、、、、なぁちゃん、可愛いから、無理やり襲っちゃう」

「ええ?ゆうちゃんだったら別にいいですよ」

身体が男になってしまっても、ゆうちゃんはゆうちゃんに違いない。ゆうちゃんがそれを求めるのなら受け入れる。

「だめだよ」

「分かりました。もしお風呂で気分悪くなったりしたらすぐ呼んで下さいね」

もし、ゆうちゃんが元に戻らなかったらどうしよう。実例はあるのかな。グーグルで調べてみた。

《ドミニカ共和国南西部に位置するラス・サリーナス村は、………………村で生まれた少女の約90人に1人が、思春期になると突然声変わりが始まり、男性器が成長しだすのである》

ええ、これじゃん!じゃあ、元に戻らないってこと!?ゆうちゃん声、どんなだっけ!?

でも、もしこの病気だとすると、ゆうちゃんは元々男の子で、成長してから性器が大きくなったってこと??じゃあ、ゆうちゃんは元に戻るとか戻らないとかじゃなくて、元に戻ったってこと????
でも、ゆうちゃんは、女性らしい胸もあったし、生理もあったよね、、、この病気じゃ無いのかな。

パパに相談の電話をしてみた。

TEL「パパ?今大丈夫?」

パ「大丈夫だよ。何?」

「あのね、ちょっと聞きたいんだけど、女の子の体が、男の子の体になるってことある?」

パ「奈々、、性転換手術したいのか?」

「違うの。そうじゃないんだけど。そういう事ってあるのかなって」

「一般的には手術せずにそうなる事はほとんど零に近いんじゃないか?セクシャルマイノリティも世の中に受け入れられる時代になってきてるし、性転換手術をした人の自殺率は高いと言われている。ホルモンバランスも崩れるしね。絶対にパパの許可なしに手術なんてしたら駄目だよ」

「だから、私じゃないってば。忙しいのにありがとね」

パパ、何勘違いしてるかな。

「なぁちゃん、お風呂ありがとう、なんでまだ下着姿なの」

「元に戻りました?」

黙って首を横に振っていた。病気じゃないとしたら、やっぱり、えっちをするしか方法は無いのかな。


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