ほのう

□三
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課長「き、君!何してくれてるんだ!ドアの請求書まわすからな!」

「茂木さん、どうしたんですか?」

「大変だよ!中島部長が、ゆいりちゃんに、横領の濡れ衣を着せようとしてる!」

「えぇ!?」

「偽の証拠も作られてる。今、役員に呼ばれて……」

「私、本当に知りません!」

茂木「そんな事は分かってるよ!パソコンのログイン履歴も改ざんされてるし、監視カメラもすり替えられてる」

岡な「改ざんされた証拠は無いんですか?」

茂木「中島部長は、用意周到な男だからな。探し出す事が出来ない」

岩村「もし、村山さんが犯人って事になったら、逮捕されちゃうんですか?」

課長「されるだろうなぁ。懲戒解雇で退職金もなしだ」

岡な「岩村さん!ハッキングして下さい!」

岩村「ええ!?それは犯罪だよ!俺まで逮捕されちゃう」



プルルル!プルルル!


電話が鳴る。大きな音をたてて、更なる不安を掻き立てる。


プルルル!プルルル!


岩村「課長!電話!」


プルルル!プルルル!


課長「岩村くんが出なさい!業務命令だ!」

岩村「いやです!」


プルルル!プルルル!


「はい。文書郵便課、岡田ななです」

岡田ななさんが電話に出た。この課は、男が女々しくて、女が男らしいようだ。

「分かりました。伝えます」

課長「電話誰?」

「五十六さんです」

いそろくさん。誰もがみとれる美男子にして、将来重役間違いなしのエリート。私の好きだった人。

課長「五十六くんなんだって?」

岡な「中島部長が横領疑惑で役員会議送りだそうです」
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