ピカピカの1年生

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「ええ。ですから、彩希さんのご両親に早くお会いしたいと……」

「なんで??パパとママ?」

「やはり、交際のご報告と結婚のお許しを……」

「ん?意味が分からないんだけど……交際?結婚??」

「彩希さんは、僕の貞操を犯した責任を取ると言ったではないですか」

「え?いつ言った?そんなこと??」

「あの朝ですよ。彩希さんは、はっきり責任を取ると。LINEでもハートマークをたくさん……」

「え??ってか犯してないよ?何もしてないじゃん?」

「事実、彩希さんは僕のマンションで一夜を明かしたわけですから。一般的に独り暮らしの女性の部屋に男が泊まれば、その女性は男と関係があったとみなされるでしょう?じゃあ男は女性に対して責任を取らなければならない。そして彩希さんは僕に責任を取ると言った」

「ちょっとまって?男と女じゃ違うし……」

「では、彩希さんはジェンダー差別主義者ということですか?」

「いや、そうじゃないんだけど……てか、岡田くん、彼女いるんじゃ?え?」


「何を言っているんですか。彼女は彩希さんでしょう。なんにせよ、彩希さんは僕に責任を取ると宣言をし、それから交際イコール結婚ですから……」

「ちょ、ちょ、ちょ、それは岡田くんの価値観でしょ?知ってると思うけど世の中にはいろんな考え方をもつ人がいるの。私は結婚する前にその人が本当に私と合うか確かめる期間が欲しいの。それが付き合うってこと。私は付き合ったりしないで、いきなり結婚って考え方じゃないの」

「なるほど、そういう考え方もありますね。僕は彩希さんの考えを尊重したいと思います。
いやぁ。これは試練ですね……。そう易々とご両親には会わせてはくれないと……」

意味がわからないまま車を降りたけど、私と岡田くんが付き合ってるってことになってるの??


ーーーーー

「あははっ!!やばっ。あいつ、想像絶するヤバイやつじゃん!! 結婚する前に前科にストーカー歴ないか調べた方がいいよ?」


彩奈に報告すると案の定、他人事だと思って大笑い。

「だから、結婚なんてしないし、付き合ってもない!」

「おはようございます」

そこに噂の岡田くんが登場。

「あ、岡田くん、聞きましたわよ?村山さんとお付き合いしてるんですって??」

「いや、それは、正式に婚約してからお伝えしたかったのですが、彩希さん、言ってしまったんですね、、」

「あのね?女ってのは、自分の男を自慢したいものなのよ?もっと、こっちの方のお勉強もしたら?」

「はぁ、失礼しました」


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