ピカピカの1年生

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ピコン!

「ん?」

結局あれから、ぐっすり寝ていい夢見れた。

LINEが来たから確認する。

あぁ、岡田くんか。

『お疲れ様で御座います。先ほどは……。……。無事に着いたとの報告安心致しました……。雨も上がったようで……』

だから長い。なんだこいつ。

返信もせずに、スマホを置こうとしたその時、ある文字が目に入った。

『……。……高校時代の友人が出資したカフェ【IMO.IMO.MAX】2号店のプレオープンに招待されまして、よろしければ村山さんもご一緒に……』

「イモイモマックスぅ!!」

イモイモマックスといえば、今、話題沸騰中の全イモラーの夢の聖地。
2号店ができるなんて知らなかった。
1号店に1度だけ行った時、5時間並んでやっと入れたけど、並ぶ価値ありの衝撃的な美味しさだったのを忘れた日はない。あのイモンブランベーゼ。黄金色の艶。まろやかな甘味。ねっとりと舌に絡み付く食感。

また食べたい!食べたい!!

『行きます!行きます!お願いします!』

歓喜のスタンプ連打。



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月曜日、会社で彩奈がいつものように絡んできた。


「なに?彩希。嬉しそうにして……。やっぱり彼のおかげ?……で、相手は誰?」

「えー。実はね……」

「うん。うん……。ちょっとまって?」

「え?」

私たちに近づいてくる岡田くん。私とイモイモマックスを引き合わせてくれる愛のキューピッド。

「え?私なんかしたっけ?心当たりが多過ぎて……」

「おはようございます」

「おはようございます。あの、私、何かした?」

「え?篠崎さん、また何かしたんですか?」

「いや。岡田くんが朝から迫ってきたら怒られるのかと身構えるクセが……」

「はぁ、それはやましいことがあるから、そういうことになるんですよ……」

「あ、そうだ。なんか、岡田くんのこと気になってるって子がいるんだけど……岡田くんって彼女とかいるの?まさか……いるわけ……」

「交際している女性がいます」

「あ、そうなんだー。じゃあ、その子も諦めつくと思うから言っておくねー。へー。岡田くんって、彼女いたんだー。そういう話とか全くしないからさー」

そうだったんだ。だからあの時あんなに怒ってたんだ。彼女さんにバレたら誤解をうむもんね。
改めて申し訳ないことをしたと反省する。


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