ピカピカの1年生

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トイレからでて、岡田くんが見当たらないから奥の方へと進むと、キッチンで岡田くんが薬の箱を開けて、グラスのお水を飲んでいた。

「トイレありがとう……」

「いえ。こちらこそ、ゴホッありがとうございます。もう、薬も飲んだし、寝れば大丈夫だとゴホッ思うのでご心配なく」

「そう。でも、心配だから、明日起きたらLINEして?」

「え?ゴホッ、村山さんは、ふっ、僕の彼女なんですか?」

風邪で辛いのか、ホントに面倒なのか、岡田くんは嫌そうな顔で言った。

「いや、それは会社の先輩として、心配だから……」

「ん、はい。分かりました。じゃあ、気をつけてゴホッ帰ってください」

岡田くんは私を玄関まで送るでもなく、そそくさと奥の部屋に行ってしまった。
もしかして、寝た?
まぁ、寝ないといけないんだけど、なんだか寂しい。

ってか、すっごい部屋。こんなところに1人で住んでるんだ。
キッチンとリビングが繋がっていて、大きな窓があった。
カーテン開いたままだけど、夜でも閉めないタイプ?

眺めていると、窓に雨が当たり始めた。それも結構勢いが強い。

「え?」

私はスマホを取り出して天気予報を見た。

「げ」

雨じゃん。でも、雨雲レーダーによると、後30分で止むらしい。ちょっと雨宿りさせてもらって、その間にスマホでパズルゲームでもしようっと。

「ふぁぁああ」

眠っ。そういえば今日、めっちゃ飲んだなぁ。岡田くん、社員としての自覚が足りないとか言いそうだけど、そんなパワーも残ってなかったのかな……。


ーーーーー

「すぅ。すぅ。すぅ……」

ピコン!!

「ん!」ビクッ!

あ、LINE。岡田くんかな?
やっぱり。ちゃんと連絡くれたんだ。

『おはよう御座います。昨日は大変……。…………。…………。……』

長いんだよ。なあ。

なになに?起きました。体調もよろしいと……。

そかそか。

よし。もう安心したし、今日は土曜日だし。昼過ぎまで寝るぞー。。。

「すぅ。すぅ……」


スタ、スタ。

足音?気のせい?

私がうっすら目を開けると、全裸の岡田くん!?!

「え?!」

首からかけたタオルで髪をふいている。
頭をゴシゴシして、顔を上げてこっちを向いた。

「ん……。おおぉ!???なんで?!」

下半身をタオルで隠す岡田くん。私も一応、手で目を覆った。

「……ごめんなさい。寝ちゃってたみたいで……」

玄関マットがふわふわで気持ち良すぎて……。


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