ピカピカの1年生
□6
1ページ/1ページ
トイレからでて、岡田くんが見当たらないから奥の方へと進むと、キッチンで岡田くんが薬の箱を開けて、グラスのお水を飲んでいた。
「トイレありがとう……」
「いえ。こちらこそ、ゴホッありがとうございます。もう、薬も飲んだし、寝れば大丈夫だとゴホッ思うのでご心配なく」
「そう。でも、心配だから、明日起きたらLINEして?」
「え?ゴホッ、村山さんは、ふっ、僕の彼女なんですか?」
風邪で辛いのか、ホントに面倒なのか、岡田くんは嫌そうな顔で言った。
「いや、それは会社の先輩として、心配だから……」
「ん、はい。分かりました。じゃあ、気をつけてゴホッ帰ってください」
岡田くんは私を玄関まで送るでもなく、そそくさと奥の部屋に行ってしまった。
もしかして、寝た?
まぁ、寝ないといけないんだけど、なんだか寂しい。
ってか、すっごい部屋。こんなところに1人で住んでるんだ。
キッチンとリビングが繋がっていて、大きな窓があった。
カーテン開いたままだけど、夜でも閉めないタイプ?
眺めていると、窓に雨が当たり始めた。それも結構勢いが強い。
「え?」
私はスマホを取り出して天気予報を見た。
「げ」
雨じゃん。でも、雨雲レーダーによると、後30分で止むらしい。ちょっと雨宿りさせてもらって、その間にスマホでパズルゲームでもしようっと。
「ふぁぁああ」
眠っ。そういえば今日、めっちゃ飲んだなぁ。岡田くん、社員としての自覚が足りないとか言いそうだけど、そんなパワーも残ってなかったのかな……。
ーーーーー
「すぅ。すぅ。すぅ……」
ピコン!!
「ん!」ビクッ!
あ、LINE。岡田くんかな?
やっぱり。ちゃんと連絡くれたんだ。
『おはよう御座います。昨日は大変……。…………。…………。……』
長いんだよ。なあ。
なになに?起きました。体調もよろしいと……。
そかそか。
よし。もう安心したし、今日は土曜日だし。昼過ぎまで寝るぞー。。。
「すぅ。すぅ……」
スタ、スタ。
足音?気のせい?
私がうっすら目を開けると、全裸の岡田くん!?!
「え?!」
首からかけたタオルで髪をふいている。
頭をゴシゴシして、顔を上げてこっちを向いた。
「ん……。おおぉ!???なんで?!」
下半身をタオルで隠す岡田くん。私も一応、手で目を覆った。
「……ごめんなさい。寝ちゃってたみたいで……」
玄関マットがふわふわで気持ち良すぎて……。