ピカピカの1年生

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「ええ。ゴホッ。薬を飲めばおさまるとゴホッ失礼します」

スポーツドリンクを片手に持った岡田くんが、風邪薬を棚からとって去っていった。

岡田くんでも、体調崩すことあるんだ。
「体調管理も仕事のうちですよ。しっかりして下さい!」って彩奈に詰め寄っていそうな勝手なイメージが頭に浮かんだ。
あ、明日、休みだから、か。計算して体調崩してるのかも。さすがにスゴすぎ。

私は二日酔いの薬と、痛み止めと、お菓子と新発売の缶チューハイをカゴに入れて、やっぱり、ここのドラッグストアーから私の部屋まで遠いから、重い缶チューハイを棚に戻した。

もうさすがに、岡田くんは会計終わって出ていってるだろう。遭遇したくなくて、無駄に時間を潰してお店を出たのに、お店の出入口の近くの所で、膝に手をつく岡田くんを見つけてまった。
重そうな鞄もドラッグストアで買っただろう物も地面に置かれている。

「え?」

やば。見なかったふりして行こうっと。近づくときっとまた、叱られそうな気がしたから。

「ゴホッ、ゴホッっん……」

気配を消して後ろをそっと通りすぎようとしたのに、岡田くんが体を起こして私にペコリと頭を下げた。


「おつかれ……」

「んっす。ゴホッゴホッ!ゴホッ!」

「ほんとに、大丈夫なの?」

「ん、はい、ゴホッ……、タクシー呼んだんですけど、なかなかこなくて……」

岡田くんは、話しながらペットボトルのふたを開けて、スポーツドリンクを飲んだ。

「明日、ゆっくり休んでね?」

「んっ、はい、そうさせてもらゴホッ、」

「じゃあ、ね」

「ん、おつかれ様です」

不自然だった。
岡田くんは誰かと話すときは絶対に話してる最中にドリンクなんか飲まないし、鞄も地面に置くなんてしないはず。第一、膝に手をつくなんて、普段の彼なら絶対にしない。

ちょっと気になって、振り返ってみると、岡田くんが地面にしゃがみこんでしまっていた。

私は早足で戻り、話しかける。

「大丈夫?」

「ん!ゴホッっです……」

急いで立ち上がろうとして、足がふらついて、よろよろ、時間をかけてたった。

「ねぇ?タクシーいつ呼んだの?」

「もう、んゴホッ、20分くらいたってるはずですが……」

岡田くんはズボンのポケットに手を入れてスマホを取り出そうとしたけど、手を滑られせ落としてしまった。

パン!

「あ、ゴホッ、さいあ、く、、」


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