ほのう

□二
2ページ/2ページ


岩村「茂木って、社内アンケートで、戦場に連れていくならランキング1位だったあの茂木?俺、殺されちゃうの?」

「茂木さん、なんて言ってたんですか?」

課長「早口で聞こえなかったんだよ。村山を出せって、1億円横領がなんとかって」

岩村「1億円!?」

課長「1億円なんて関係ないでしょ?」

「知りません。何の事ですか!?」


コンコン!


岩村「ヒイィ、」

全員の身体が硬直して何かに怯えた。茂木さんは悪い人じゃ無いと知っている私でさえも、場の空気に流されて緊張が走る。


「すいませーん。ななです。開けてください」

「ななちゃんか」

「課長、変わりに、ななちゃんを差し出しましょうよ」

「そんな事が出来るか!わしの大事な部下だぞ!」

課長は立ち上がって、鍵を開けにドアへ向かった。ピンチの時こそ人間の本性が現れる。年老いて見えていたはずの課長が頼もしく思えた。

「ななちゃんの後ろに茂木っぽい人がいた、、」

課長は、鍵を開けずに帰って来た。

「残念だが、ななちゃんは諦めよう、、、」


ゴン!ゴン!


力強い音がドアを揺する。

茂木「開けてください!緊急なんです!」

ガチャ!ガチャ!

茂木「どうして鍵閉めてるんですか!!」

ゴン!ゴン!

ドン!!!

ガッチャーーー!!!

茂木「ふうっ、」

茂木さんがドアを蹴破って中に入ってきた。大きな音と驚きで全員の言葉が奪われた。

茂木「ゆいりちゃん!」


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ