対局中

□Perfume of Love
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「今日は生チョコの八つ橋があるから、取ってくるよ」


そう言って下へ降りていく


ありがとう・・・と小躍りして喜ぶ彼女。生八つ橋くらい、父の門下生がいつでも買って来てくれる


あの日のように、彼女を僕の部屋に一人にしてみた


足音をたてず、そっと襖を開けてみるとさくらは嬉しそうに僕のスーツを眺め、徐ろにそれをぎゅっと抱き締めた



「また、やってるのか」



『と、塔矢〜!突然現れないでよ!!』


「君が悪い、生憎ここは僕の部屋だから」


八ツ橋を机に置き、彼女に近寄る


『・・・えっ・・・あ、八ツ橋』


「誤魔化さないで、僕を見て。何故スーツを抱き締めてたんだ?」


『・・・それは、この色が好きで』


「・・・で?」



『や、八ツ橋食べたいな・・・』



「だから何だ?」



『・・・あと、えっと・・スーツってカッコイイよね・・・』



「匂い、の間違いじゃないのか」



『そう!畳の匂い!あれがどうもおじいちゃん家を思い出して・・・

「僕の匂い・・・だろ?」



そう言った刹那、塔矢がさくらを抱き締めた


『・・・いやっ・・・』


「本当に?嫌なのか」


『・・・やっ・・・離してっ』


「そんなにキツく抱き締めてないから逃げられるだろう?」


そう言って腕の力を緩めると、さくらは床にへなへなと尻もちをついた


『・・・い、意地悪!!』


「生八つ橋、食べさせてあげようか」


『・・・うん、あ〜・・・ん


そう言った瞬間、塔矢は生八つ橋を自分の口の中へ入れた。


『ああ!八ツ橋!!!酷いよ!!楽しみにしてたのに!!』


ポカポカと胸を叩く彼女を壁に抑えつけ、口の中の八ツ橋を彼女へ口移しした


『・・・んっ!』


「・・・ほら、しっかり噛んで。食べたかったんだろう?」


咀嚼されたものが口の中へどんどん押し入れられ、息が出来ない。それどころか塔矢の舌が口の中で動き回る


『・・・うっ・・・・ん、離し・・・て』



「口の中のもの、飲み込んで」



『・・・っ・・・ん・・・ゴグっ・・・とうやぁ・・・!』



「まだ喋る余裕があるんだ」



そう言って、口の中を貪るように舌を入れる。ヌルりとした感触にゾクッと肩を震わせてさくらは懇願した


『・・・お願いっ・・・や・め・・』


口付けを止めてそのままベッドへ手を引く



『塔矢・・・っ』



「今日はそのまま帰したりしない」



ベッドへ倒れ込み、もう一度深く口付けをした





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