学園物語

□秋晴れの下
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「あ、きたきた!」

両手を振り回して、松倉が軽く飛び上がった。その視線の先に、大きな欠伸をしながらゆったり歩いてくる海人が見えた。

「ふぁぁぁぁ…もはよ〜…」

「もう昼だってば。」

「お前、どうせ寝てたんだろ、午前中ずっと。」

中庭の芝生で昼飯を食ってた俺と松倉の横に腰を下ろし、海人は手にしていた菓子パンの袋を豪快に開けた。

「いい天気だねぇ〜」

俺らの小言は全く聞こえなかったかのように、空を仰ぎのんびりした声を出す海人。つられて松倉も上を見上げてほぉっとため息を吐く。

「気持ちいいよね。これぞ秋晴れだね。」

一足先に食い終わった俺は、弁当を片付けながらそんな二人を眺めた。

久しぶりに三人並んだな。

ポカポカした陽気も手伝って、なんだか気分が良かった。

俺と海人の間で笑う松倉のテンションもいつもより高い。
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