学園物語
□俺の青春
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「宮近先輩…好きです…付き合ってくれませんか…?」
「えっ?あー…えっと…」
急に来た。一個下で、見かけたことはあるけど名前も知らないような子からの告白。
顔を真っ赤にして、震える手をぎゅっと握り締めてる姿に不思議な気持ちになる。
なんで俺?好かれるようなことした覚え、ないけど…
それにしても、すごいな。こうやって面と向かって告白するなんて。こんなに小さい体で可愛らしい女の子なのに、すごい勇気だなぁ。
なんて、妙に感心してる場合じゃない。
俺は俯いてるその子に向かって、ゆっくり言葉を返した。
「えっと…ありがとう、でも…ごめん。」
その子は足元を見たまま、か細い声で遠慮がちに聞いてきた。
「あ…あの…好きな人とか、いるんですか?」
「えっ」
好きな人。その言葉に反射的に反応して俺の頭にぱっと浮かび上がってきたのは、松倉の笑顔だった。
もう自覚してるけど。にしても今出てくるの早かったな。