学園物語

□選んだ道
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「お友達が来てくれたわよ。」

母親が開けたドアの向こうに、松倉の姿が見えた。

「よぉ。」

「おお。」

部屋に入ってきた松倉は、気まずそうに目線を窓の外へ飛ばしている。眉毛を若干寄せて上唇は尖らせて、明らかに拗ねてた。

「海人も一緒に来たんだけどさ…なんか、急に行かなきゃいけないとかって…」

「そうなんだ。」

うん、知ってる。

少し前に海人からメールが来てた。

『今から連れてくから。仲直りしろよ✌』

って、別に喧嘩したつもりはないんだけど。

海人の気持ちはありがたいけどさ。きっと無理やり連れてこられて、その挙句一人で送り込まれて、ご機嫌斜めな状態のコイツと仲直りできるのかな。
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