松松物語

□笑うしかないよね
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『ちゅーされそうになった』

は?!

俺は大阪にいる松倉からのメールを見て言葉を失った。

ほんとに?!

『今どこ?』

『ビビったから自分の部屋に戻ってきた』

つまり、また元太の部屋に居たってことね。地方は寂しいっていうから、メールも電話もしてるのに。

はぁ…と溜息を漏らして、時計を見る。10時を少し回ったところ。ギリ大丈夫か。

『10分だけ話せる?』

既読がつくや否や、電話が鳴った。

「ちゃかーーーー!ビビったって、マジで!」

「声でかいよ。落ち着けって。で?したの?」

「してねーし!てかなんなんだよ、元太。意味わかんねぇ!」

電話の向こうで松倉は、興奮気味に捲し立てた。

「最近なんか様子がおかしいって言ってたじゃん?なんか目合わせなかったりして避けてんのか?みたいな。でも大阪でいい感じにいつもの俺らに戻ってたの。二人でめっちゃ楽しかったし、居心地良かったし?まぁ元太がなんかしっかりしてきて、あんま頼りにされなくなったっていうか、ちょっと距離が離れた気はしてるけど…でもいい感じに自立してるっていうか、尊重し合う感じにやっと俺らもなれたのかなーって思ってたのにっ!」

ああ、さすがの松倉もそこは感じてたんだ。
だって元太頑張ってたみたいだもんね、色々と。肝心な気持ちは伝わってないみたいだけど。
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