学園物語
□ずっと同じじゃない
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「あーもー金欠で昼飯も買えねぇ!」
「…パンくらいなら奢ってやるよ。」
「ほんと?クラ、お前やっぱいい奴だなっ!ありがとっ!んじゃ、昼休みにねー!」
ガバッと俺に抱きついてから、あっという間に手を上げて俺らの教室を後にした。
「調子いいな、ったく。」
呆れた口調で呟く俺の横で、ちゃかもふふっと優しい笑みを浮かべていた。
「あ。」
その時俺、気付いたんだ。
なんでコイツが冷たいって思ってたのかわかった!
ヤキモチ妬かなくなったんだ!
今だって目の前で俺が海人に抱きつかれたのに、なんの反応もないじゃん。
前は海人にだってヤキモチ妬くって言ってたのに。
なんで?もう俺のことそんな好きでもなくなった?
え、どうしよう!そんなことないよね?!
「ねぇ、ちゃか…」
ん?っとちゃかがこっちを向いたと同時に、ガラッと教室の扉が開いて先生が入ってきた。いつの間にか予鈴が鳴ってたみたいだ。
「始めるぞー席に着けよー」
教壇に立った先生の一言にちゃかは前を向いて座り直し、みんなと同じように教科書を広げ出した。