本編
□kzm
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(かずま)
珍しく夢をみた…
「かじゅまー! ねぇかじゅまー!」
女の子が可愛い声で俺を呼んでる
夢の中の俺は 空を見上げてていた。
「かーーじゅーーまーー!!」
ドンッ
「 かじゅま鬼ー!! 」
「 鬼ごっこしてへんしー 」
「 ねぇかじゅまー 」
「 なにぃ? 」
「 なに見てるの? 」
「 空 」
「 空たのしいの? 」
「 ほら、あれ 」
女の子は俺の隣に寝転び空を見上げた
「 どれー? 」
「 あれやん、あそこのあの… 」
「 …… 」
「 あの雲、龍みたいにみえへん? 」
「 りゅう ? 」
「 あのながーいの 」
「 見えな〜い 」
「 えーみえへんのぉ?あれやで?あれ 」
「 見えな〜い w 」
「 もぉ、なんでみえへんのぉ? 」
幼い俺は必死に自分の目に見えるものを
説明しようと隣の女の子の方を向く
「…っ、わぁ!! 」
「 全っ然、龍見えな〜い w 」
「 ずっとこっち見てたん??w 」
「 龍見えな〜い、かじゅましか見えな〜い w 」
「 ちゃうねん!!龍はな?あそこに…っ 」
「 えへへー かじゅましか見えなーいw 」
花柄のワンピースに麦わら帽子を被ったその子は
キラキラした笑顔を絶やさなかった
その笑い声がだんだんと遠くなり
夢から覚めるのがなんとなく分かった
声が聞こえなくなり、目を開けるといつもの景色
「 かずまー、 あんた学校遅れるでー! ? 」
リビングから声を張り上げるおかん。
耳にはまだ女の子の笑い声が残るような不思議な感覚
無意識に視線をやった時計を見て我にかえる
「 うわっ、 やっば! 寝坊や!!! 」
……
(♡)
「 ♡〜、おはよー 」
♡「 あ!みいちゃん、おはよう♪ 」
最近なかよしの みいちゃん
み「 聞いたで? 」
♡「 ん? なにを? 」
み「 翔さんから告られたんやろ? 」
興奮気味なみいちゃん
♡「 え?ううん? 」
み「 そうなん? 噂なっとるよ? 」
♡「 噂? どうして? 」
み「 昨日♡と翔さんが校門んとこでいるの見てた子がいるらしくてな? 」
♡「 うん 」
み「 その子が翔さん追いかけてって、彼女ですか?聞いたらしいんやけど…」
♡「 … 」
み「 したら、彼女にしたいわ〜、とりあえず今回は敗北やなw 次の作戦練らな! …って言われたんだってよ? 」
♡「 なにそれっ w 」
み「 ちがうんやな? 」
♡「 … とあたしは捉えてるけど ? 」
み「 なに?それ? 」
♡「 俺と付き合わん? とは 言われたような… ? 」
み「 それ、告られとるやん … 」
♡「 いや違くてなんかなんていうか 」
み「 学校イチのイケメンやで?うわ、えっぐ!!w 」
♡「 … そ、そうかな? 」
別にあたしはイケメンだとか思わなかったけど…
というか単純に タイプじゃない? かな?
み「 えっえっ、ってことはやで?翔さんの彼女の友達、うち? やっばーー!嬉しみなんやけどー!!」
大興奮のみいちゃん
♡「 …そんな? まぁ…顔立ちはっきりしてるなぁとは思うけど?
今どきのヤンキーじゃない?あたしヤンキー嫌いなんだよねぇ… うん。 」
み「 罰当たりがぁぁっ!! 」
ドカッ
♡「 いたっ なに?w 」
み「 付き合いなさい! 」
♡「 むーーりーー 」
み「 一生の思い出になるで? 」
♡「 なーらーなーいー w 」
み「 んもぉぉぉ〜っ 翔さんに告られて断るバカがこの世に… いや、この目の前におるなんてー! 」
「 え、今のほんま? 」
突然割り込んできた低い声に驚くあたしとみいちゃん
♡「 … っ 」
み「 … っ、あ、なんやー 川村〜 びっくりしたわ〜 おはよ〜 」
か「 今のほんま? 」
み「 あ、聞いとった?ほんま♡バカやね…っ 」
♡「 ほーら、先生来たよっ!戻った戻った〜 」
か「 ほんまなん? 」
♡「 なにがー? 」
か「 さっきの 」
♡「 ほんまじゃないよ! みーんなおふざけ! 」
か「… ふーん 」
さすがにちょっとだけイラっとした自分がいた。
学校イチイケメンだかなんだか知らないけど
好きでもないし?なんにも知らないし?
ていうか向こうはあたしのなにを知って
付き合わん? なんて? え?わからない!!!
ヤンキーだから?
ヤンキー界では、アリなの??
ズボン下げすぎてパンツ見えるし
ワイシャツあけすぎてるし
歩き方も存在感も全てがヤンキー!
却下、即却下!!!
♡「 スゥ〜〜っ、 ハァ〜〜っ 」
深呼吸深呼吸… 、 よし 忘れよ!!
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