本編

□kzm
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(♡)

「 ほな、気をつけて帰り 」
♡「 はいっ ありがとうございました 」
「 あんまり無理せんと、な? 」
♡「 はい、そうですね 」

そう言ってニコっと作り笑顔をすると
先生は真顔で私の頬をつねった

♡「 へんへぇ? 」
「 禁止や 」
♡「 へ? ?」
「 しんどい顔して笑うの禁止や わかったか? 」

しんどい顔して笑う… ?
なにを言ってるのかよくわからない…

♡「 … 」
「 … 」

♡「 へんへぇ… いたい… w 」
「 あ、すまんすまん w 」

先生は慌てて手を離した

♡「 …… えへっw 」
「 ふっ… はははw 」

♡「 これはありですか ? 」
「 ん? なにが? 」
♡「 わらうの、今のはあり? w 」
「 あ〜 ありありw 」
♡「 よかった w 」

違いがよくわからないけど ありらしい。

♡「 じゃあ、帰ります! 」
「 気ぃつけて! 」
♡「 はーい 」


………


靴を履き替えて校舎の外にでると
聞いたことのある声に引き止められた

「 なぁ ♡ちゃん 」

♡「 … ? 」

反射的に声の方を向くとそこに立っていたのは…

♡「 あ!!! タバコ!! 未成年!! 」
「 いや、待って? 俺の名前タバコでも未成年でもないからw 」

♡「 … だって、ほら制服…っ、て、え? 学校一緒? 」
「 そうやねん、3年の 山本!よろしくな! 」
♡「 3年… 、 山本… はい。 」
「 下の名前、翔やから… 、翔くん♪とかでええよ w 」
♡「 し…っ しょう… くん … ?え、いや、翔先輩… にします!! 」
「 えーーー、しゃあないなぁ… 」
♡「 ありがとうございます… 」


ってなんであたしがお礼?

翔「 でな、♡ちゃん!あのな? 」
♡「 … はい 」
翔「… 彼氏いるん ? 」
♡「 はい? 」
翔「 ええから!とりあえず答えて!!yesかnoな!」
♡「 … 」
翔「 彼氏いるん? 」
♡「 no 」
翔「 好きな人は? 」
♡「 no 」
翔「 俺と付き合わん? 」
♡「 … 」
翔「 … え、シカトかいなw 」
♡「 … 冗談やめてください 」

まじなにこの男…

翔「 yes or no 」
♡「 …… yesもnoもないです。」
翔「 え、なんで?なんでなんで? 」
♡「 そんななんにも知らない人のことyesとかnoとか…っ」
翔「 てことはやで?チャンス大あり言うことやんな?」
♡「 はい? なんでそうな…っ」
翔「 っしゃ、俺がんばろーー!!」
♡「 ……ふっ w 」
翔「 かわいい!!! 」
♡「 え? w 」
翔「 笑った顔がかわええ!!! 」
♡「 … いや急になに? w 」
翔「 むっっちゃかわええ! w 」
♡「 いやだからまじでなにwww 」
翔「 かわええ!かわええ!www 」
♡「 きゃははははwww」
翔「 www 」


私達はそんなくだらないやりとりをしながら
しばらく笑いあった。



翔「 じゃあ〜、 LINE教えてくれへん? 」
♡「 え、いやです。 」
翔「 いやおかしいやろ〜こんな仲良うなったや〜ん 」
♡「 なってません。 」
翔「 真顔こわ w 」



この人のこの底ぬけな明るさに照らされているかのように
私の心も少し明るくなった。

けど… むり。

♡「 じゃあ、帰ります! 」
翔「 なんで連絡先教えてくれへんの〜〜 」
♡「 苦手なんです。」
翔「 ほ? 」
♡「 ヤンキー 。 」
翔「 ヤンキーちゃうし!! 」
♡「 … 」
翔「 ヤンキーってなんやねん … 」

露骨にテンションが下がって少し驚いた。

♡「 その下がりすぎたズボンとか ?」
翔「 … おん」
♡「 ですね。」
翔「 じゃあズボンあげたら連絡先…っ 」
♡「 帰ります ! w 」


私は足早にその場を立ち去った。


………


(かずま)



か「 ただいまー 」
「 おかえりー、かずまー、ちょっとー! 」
か「 なにー? 」
「ええから早う〜 」

上機嫌なおかんの声のする方に行くと

「 うっわー かわいすぎひん??ほら、見てみ! 」
か「 ん? なに? 」


なにやらアルバムを広げていた


「 あんたこんなかわいかったんやな〜 今じゃ…w 」

か「 なんやねんその今全く可愛げ無いけど〜みたいなん」

「 はーっ これこれ!!懐かしいわ〜 」

おかんが次々とめくるアルバムの中には
当たり前のようにおとんが写っていた

よく見ると自分に似ている気がしたが、
敢えて触れることもしなかった


か「 なぁおかん 」
「なに? 」
か「 この子だれ? 」
「 ああこの子な!名前〜なんやったっけ…… 」
か「 えっらいおてんば娘やな? 」
「 あんたいつも泣かされとったでw 」
か「 そんなん? w 」
「 なんかな〜父さんの職場の上司の〜‥娘さん?とかそんなかんじやわw」


そのおてんば娘はかなりの頻度で
写真に写っていたが
聞いたところで父親関係なら母親には
わからないことだ、と思い
気になることは全て飲み込んだ

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