幸せの光

□プロローグ
1ページ/3ページ

「恐い」それが彼と始めて出会ったときの印象でした。パパが連れてきた、当時小学五年生の私と同じくらいの身長の黒人の少年がまだ、小学二年生くらいの歳だということに私はさらに驚いたのはよく覚えています。彼が、これから私たち家族に本当の幸せを、希望を教えてくれることを、このときの私たち家族は知るよしありませんでした。

彼の名前はマイケル・ブライアント。お父さんが私の家に連れてくるまでは、公園で路上生活をしていました。なんでも、
両親は薬物中毒で亡くなり、行くあてが無くなってしまったのだとか。

冬なのに半袖短パンに、泥だらけのスニーカーを履いて、公園で物乞いをしているマイケルをお人好しの父は放っておけず、一晩泊まっていきなさいとマイケルを連れ帰ったそうだ。マイケルは一階リビングのソファーで眠るようだ。キョロキョロと家の中を見回すマイケル。
(明日になったら、一階のモノが全部なくなっているかも)
私はマイケルへの黒人だからという不信感から、不安な気持ちで夜を過ごした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ