††996††

□歪
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「ラムは最初の目標を忘れたのか?」



私の最初の目標は、ハンター試験合格
それは達成された
あの時は知らなかった念も使えるようになったし、当時の私とは比べ物にならないくらい強くはなった



「念は使えるし、フロアマスターっていう称号もある
それでもまだ強くなる必要はあるか?」

「あるよ
だってハンターなのにまだ弱いもん
もし相手が旅団だったら勝てない」

「ラムが勝つ必要はない
ラムはハンターじゃないんだから」



そうだ、強くなることが楽しくて、勝手にどんどん目標変えて強くなることを肯定してきたけど、別にその必要はない…

強いハンターにはなりたかったけど
それが私の目指す最終目標ではない





「…でも、いつもクロロに守ってもらってばっかなんてフェアじゃないよ」

「なぜだ?オレは強い、わかるだろ?」

「わかるよ、クロロの強さは…」



もちろんクロロと本気で戦ったことなんてないし、能力がどんなものかもわからないけど、間違いなくすごく強いってのはわかる



「ラムは元々お嬢様だ
そしてオレのお姫様でもある
もうこれ以上ラムに危ないことをさせたくないんだ」



本気で私のことを案じてくれてるのがわかる



「ラム、オレだけのお姫様でいてくれないか?」



私の手を取りまっすぐに見つめてくれるクロロはまるで王子様だね

大好きな貴方にそんなこと言ってもらえるなんて夢みたいに嬉しいよ


こんなに強くて、美しい人からの真っ直ぐな愛を向けられるなんて幸せすぎる


でも、なんでだろう
心の隅の方に ちょっとだけ霧がかかってるみたいにモヤモヤするのは





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