††996††

□念願 ※微裏
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クロロに指定されたのは以前 クロロに念を教わっていた時に滞在していた街





「懐かしいなぁ
ここで過ごしてたのがずーっと前からのことみたい」





以前に滞在したホテルとは別のホテルの指定された部屋に向かう





「クロロ?」





相変わらず、クロロが用意してくれる場所は最高級ホテルの1番いい部屋で、扉の向こうも 素敵な部屋だった





「ラム 待ってたよ」

「クロロ!」





久しぶりのクロロにぎゅっと抱きつくと、それを当たり前のように受け止めてくれた





「ずっとずっと会いたかったよ」

「オレもだ」

「私がいない間 大丈夫だった?
ごめんね?念が使えないクロロを1人にして」

「平気さ
ラムこそ、変わりないか?」

「うん!
あのね、クロロ
ゲームのなかで幻影旅団に会ったの」

「あいつらに?」





思い出すだけで 胸がぎゅっとする
私とは住んでる世界もレベルもなにもかもが違った人たち



「うん、すごく強いんだね幻影旅団って…
でも、クロロが1番強いんだよね?」

「まぁ、団長だからな」

「すごく強くて息できないくらい怖かったんだ
なんだか、クロロと生きてる世界違うんだって思い知らされちゃってさ…
弱い自分が悔しくて…」

「ラムは十分強いだろ」





いつものようにクロロが頭を撫でてくれる
違う、違うよクロロ…
私はちっとも強くなんてない…



「怖いの、私とクロロが違いすぎて
クロロが、すっごく遠くの人に感じて」

「オレはここにいる
遠くになんていないさ」



私を安心させるように抱きしめてくれるクロロ



「ラムの強さはオレが1番よく知ってる
だからそんな顔するな」

「ありがとう…」



クロロの体に腕を回す
嬉しいよ、クロロにそう言ってもらえて

でも、私 もう勘違いしたくない
怖くて動けないなんて、もうあんな惨めな思いしたくないんだよ…





「私…もっと強くなりたい…」



抱きしめる腕に力を入れ、私はそう言った



「はぁ…オレがすまないラム」

「どうして謝るの?」





クロロは私の体を離し、私の目を見た
あぁ、相変わらず綺麗な顔
なんて美しい人なんだろうクロロ





「好きだラム」

「うん、私も
クロロのこと大好き」



大好きなクロロ
私はもっと クロロに近づきたいんだ
そのためなら、私 なんでもするよ
もっと強くなって クロロと同じ目線に立ちたいよ





「オレはお前のことが大切で失うのが怖かった
だから、ラムが強くなりすぎないようにセーブしてたんだ」

「?」



セーブしてた?
一体どういうこと?



「なんで?」



クロロの意図がわからず質問すると、突然 クロロにキスされた



「愛してるラム」



クロロが念をかけられて、何もできない無力な自分を嘆いていた私を慰めるようにしてくれたキスとは違う

触れるだけのキスだけど、確かにクロロの体温が私に刻まれる



「オレは独占欲が強いから
オレだけのラムでいるように
ラムの本当の力を引き出さないようにしてたんだ」





クロロに抱えられベッドに運ばれる
優しくベッドに降ろされ、クロロは私に覆いかぶさった



「クロロ…?」

「ラムは強くなる必要はない」

「どうして?
私 強くなりたいよ、クロロの力になりたいの」





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