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□かんめい
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クラピカは友達とやることがあるので一旦 別行動をすることになった





「これが私の連絡先だ」

「うん、じゃあ 私は言われた通りに例の件の情報集めておくね
何かわかったらメール入れるよ」

「あぁ、よろしく頼む」

「うん クラピカも気をつけてね」





試験会場をあとにし、私とクラピカはそれぞれの目的地へと向かった





クラピカは、ハンター試験に受からないことなんて微塵も想定していなかった、それは私もだけど





私に託されたのは、きっと彼が長く考えて練っていた計画に違いない
なら、私にできることはその計画を一刻も早く、確実に遂行できるようにすること





って言っても、パソコンも使いこなせるわけじゃないし、お金もあるわけじゃないし……仕方ない、世の中 お金で解決できないことはないもんね…





「っしゃー!大成功っ!」





口座残高をみると0の数が何個も増えている
詐欺は騙す方じゃなくて、騙される方が悪いんだもんね





「よーし、この元手を使って情報ばんばん集めちゃうもんねー」





クラピカの方の用事はどのくらいかかるんだろう
クラピカが戻ってきたときにすぐに行動できるようにしちゃうんだから





「……んー、頭パンクしそ」





クラピカと別れてから、ずっと画面に向き合い 予算を増やすためにあれこれ詐欺の算段を頭で練っていたからキャパオーバーになりそうだ





お金にも相当余裕あるし、たまには気分転換でもしよ





「オネエさーん
こっちにラムチョップねー!」





久しぶりに人間の集まるところで食事をしている
いつもほとんど既製品で済ませていたから出来立てのあたたかいご飯ってのは久しぶりだ





「お金も集まってきたし
あとは私の頭がもう少し足りればいいんだけどなぁ……」

「嬢ちゃん、ここいいか?」

「どーぞー」





結構 混雑しているみたいで向かいに座って来たのは無精髭を生やして何故か道着姿のオジサン…いや、まだギリでオニーサンって呼んであげようか……





「1人か?」

「そーだけど」

「そう警戒すんなって
そっか、嬢ちゃんみてーなのは 変なのに声かけられすぎて困ってるか」

「わかってんじゃん、オニーサン」





それだけじゃないけどね
私が貴方を警戒してるのは





「オニーサン、何者?」

「あ?見ての通り 格闘家だが」





大盛りのミートソースを頬張りながらオニーサンはそう言う
もしかして、わざとこの席に?





「へぇ、だとしたらすごい達人だね
ただの食事なのに、隙がないし 今この瞬間どこから攻撃されても対応できるって感じ」

「…嬢ちゃん、」





ハンター試験合格後の講習が頭をよぎる
新米ハンターの最初の仕事は、ハンターライセンスを狙う者から ライセンスを守り抜くこと…



こいつから、ライセンスを守る





「そんな殺気放つなよ
安心しな、オレは嬢ちゃんのハンターライセンスを狙ってるわけじゃあねぇ
でも、確かに オレみたいなのに狙われたら嬢ちゃんのハンター人生はここまでだったな」

「?!」





そう言って男がテーブルの上に置いたのは私のハンターライセンスだった





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