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□念
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「…と、まぁ ここまではわかったか?」

「うん!」



体から出る生命エネルギーいわゆるオーラってやつを自在に使いこなす力が念で

オーラはどんな生き物にもあるけど、それを使いこなせる人は希少

常識的には考えられない力を発揮できるため、念能力者は一般人からは天才や超人として特別視されていて

ある分野で突出した力を持つ人物が自覚なしで念を使っていることもある



「こんな感じ?」

「そうだ」

「オーラは誰にでもあるから、練習すれば誰でも念が使えるようになるんだね」

「だが、本人の資質によって習得速度は変わる
簡単に習得できる者もいれば、かなり時間がかかる者もいる」



私には1年しかない
1年で、絶対 完成させる



「本来は座禅や瞑想なんかをしてオーラの流れを体感しながら覚醒していくんだが、それは『凡人』のやり方だ
ラムなら、そんな回りくどい方法はいらない」

「?」



精孔っていうオーラの出る穴を開いた状態にすることで、念能力に覚醒するらしい

精孔は目にもあってそれが開くとオーラが見えるようになるんだって

普通 人の精孔は閉じていて、微弱なオーラしか出ていない上に垂れ流し状態にある

もちろんオーラを見ることはできなくて念能力者の放つオーラも殺気や不気味な気配程度にしか意識できないらしい



「もしかして、私がずっと感じてたヒソカの嫌な感じが、ヒソカのオーラ?」

「あぁ、 オーラに加えて本気で不気味に思っていたのもあるだろうけど」

「うん、それはある
で、私はどうしたらいいの?
オーラなんて見えたことないよ?」



だからヒソカのオーラも見えなかったんだし…



「ラムの精孔は開いてる
見ようと思えば、ラムには見えるはずだ」

「?」

「オレのオーラを視るんだ」

「クロロのオーラ…」



んー、視る…視る…視る…
体全体から溢れる生命エネルギー


それはきっと、全身から出ていて
クロロの話によると きっと垂れ流してるのは凡人で、クロロくらいになると…こう…



「なんか、モヤモヤーってしたのがクロロを覆ってる
覆ってるって、表現あってるかわかんないけど、煙の膜の中にいるみたい」

「そう、なら自分のはどうだ?」

「うぁ!なにこれ?!
湯気みたいなのが溢れてる!」



クロロのオーラは体の周りにたゆたっているのに、私のはどんどん外に出てるだけ

オーラは生命エネルギー…ってことは、私 それ出しまくりじゃん!?

これを、クロロのやつみたいに体の周りでキープすればいいんだ
真っ直ぐ吹き出してるだけの蒸気を、体を巡らせるように……っ、留める!



「!?」

「やったー できた!」



クロロみたいにゆらゆらしたオーラの膜を纏う
自分をみてみると、さっきまで湯気のようにただ吹き出していたオーラが私の周りを漂っている



「ッハハハ
いやー、驚いたよ
今から教えようとしてたこと
まさかやってのけるとはね」

「え?」

「自分のオーラをコントロールして体の周囲に留めておくこと、これが念の基本である四大行の1つ『纏』っていうんだ」

「纏…?」



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