twins
□コドモ×ト×コドモ
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ネテロside.
綺麗な空じゃ
人々の暮らしも平和で何よりじゃ
今年のハンター試験はあまり豊作ではなかった
ここ数年、ちと下降気味じゃな
これは既存のハンター諸君に頑張ってもらわねばな
「あの!」
空ばかり見ていると下の方から声がした
少し目線を下にやると少女がこちらを見ていた
ワシも年のせいで背が縮んでしまったからな
その少女との目線の高さもそんなに変わらんわい
「このモヤモヤのこと、教えて欲しいんです」
「ボクたち強くなりたいんだ♣」
少女の他に少年が1人
驚くことに2人とも年端もいかない子どもにも関わらず
オーラが淀みなく流れている
「2人とも、それは誰に教わったのかな?」
「?」
「誰にも教わってないから聞いてるんだけど♠」
「左様か」
黒髪の少女はどこかで見たような顔じゃ…
歳のせいかのぉ、思い出せんわい
こっちの赤髪の少年もずいぶん不思議なオーラじゃ
こんな子どもが、こんなオーラを纏っているとは
末恐ろしい子どもたちじゃ
念を悪用するような者に教えてはいけない
じゃが、その子らの才能はすさまじい
この才能を摘んでしまうのはあまりに惜しい
恐らくいつものワシなら、こんな危険な賭けはせん
じゃが、ここ最近のハンター試験の不作と
挑戦者不足がワシをここまで後押しする
この子らは将来 必ず大きくなる
それがいい方向に向くかはわからん
もうハンターになって何年になるか
過去にもこんな原石はごまんと見てきた
じゃが、この子らは逸材じゃ
10日じゃ
それだけあればこの子らは成長する
それ以上は手を出さん
「お前さんたち、名前は?」
「私はラム」
「ヒソカ♦」
「ラムにヒソカじゃな
ワシはネテロという、これも何かの縁じゃ
少しばかり教えてやろう」
この10日で、ワシは怪物を目覚めさせるやもしれん
いや、確実にこの子らは開花する
それは恐らく将来脅威になりうるだろうに
それがたまらなく楽しみで仕方ない
まだまだ、長生きのしがいがあるわい
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