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□再会
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平和な日常というものは
いつもなんの前触れもなく終わる




「迎えに来たよラム」

「クロロ!」




ずっと会いたかった愛しい人が
目の前に現れ、手を伸ばしてきた




「ずっと会いたかった、
いい子で待ってたよクロロ」

「オレもだよ、ラム」




ぎゅっと抱き寄せられる
安心するクロロの体温に包まれる
ずっとあなたに会いたかったんだよ?




「ラム」

「クロロっ」

「なぜ、念を外したんだ?」

「あ…、」




そうだった
私はクロロに念を封じられてた
それをアルカに外してもらったんだ…




「あのね、これは…」

「なぜなんだ?ラム
どうして君はそうやってオレを不安にさせるんだ」

「ごめんなさい、そんなつもりじゃ…」




あの時のように
心臓が凍りつくほどの恐怖を感じる
クロロが私にこの眼差しを向けるのは2回目だ

初めて肌を重ねたときと同じ
急にあなたを遠く感じるの…




「前にも言ったはずだ
ラムはお姫様なんだから
強くなる必要はない、オレが守るから力なんていらないだろ?」




壁際に私を追い詰め、手首を捕まれ身動きがとれない




「痛い、よ…」

「力はそんなにいれていない
それでも痛いだろ?ラムはそれでいいんだ
オレがこんなに強いから、お前は強くなくていいんだよ」

「え?」




辺りを見渡すと
周りにはたくさんの死体が転がっていた
ヒソカに、イルミにシルバさんに、アルカも…




「これ、クロロがしたの?」

「言ったろ?オレは強い
こんなに強いんだ、だからラムが強くなる必要はないんだ」




そんな、どうしてこんなことを…
クロロ…、どうして?




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