††996††

□覚悟
1ページ/3ページ

翌日、イルミと一緒にシルバさんの元へ行き
食事中にぶっ倒れるという失礼を謝罪に行くと
むしろ謝られてしまった



イルミが友人を連れてきたことにキキョウさんが舞い上がっていつもより毒を多めに入れてしまったらしいけど、そのテンションの上がり方はどうかと思う



代わりにアルカと外で遊ぶ許可をもらい、私はイルミに連れられてアルカの元へ行った





「おはよアルカ!」

「お姉ちゃん!来てくれたの!」

「うん、これから毎日 アルカのところに来るよ
いいかな?」

「ほんとに?嬉しい!」

「よかった
ねぇアルカ、お外で遊ばない?
小さいとき、キルアとどこで遊んでたか教えて?」



って、今も十分 小さいんだけどね…



「うん!」



イルミに案内してもらってお庭に連れて行ってもらう





「これ、付けてて
それがアルカを外に出す条件だから」

「?わかった」





手渡されたのは発信機と盗聴器
きっと私とアルカの会話などをチェックして
そのルールとやらを解析するんだろう


本当に実験台って感じだけど
アルカに危害がないならよしとする
とーっても不服だけども!





「久しぶりのお外だぁ」



アルカは外の空気をたくさん吸っている
まだ小さな子どもなのに
あんな狭いところに閉じ込められて
ずっとひとりぼっちなんて、ひどすぎる



「アルカは昔どこで遊んでたの?教えて」



私には、こんなことしかできない
せめて私がここにいる間は一緒にたくさん遊ぼう
アルカのお願いのルールとかおねだりとかそんなの私には関係ないよ



「ここでお兄ちゃんとかくれんぼしてね
ここでお砂場あそびしてね
お兄ちゃんはここで遊んでてね」



目をキラキラさせながらそう私を案内するアルカ
アルカはキルアのことを話しているときが
1番楽しそうな気がする



「アルカはキルアが大好きなんだね」

「うん!大好き!
お姉ちゃんのこともね、大好きだよ!」



エンジェルスマイルにノックアウトしそうになりながら、意識を保つ



「ありがとう
私もアルカのこと大好きだよ」





きっと、キルアだけはちゃんとアルカを兄弟とし接してたんだろうな…
そんな気がする、キルアいいお兄ちゃんなんだな…



イルミのことは友達として好きだけど
アルカにとっては、あんなの家族でも兄弟でもない


昨日の話を聞いて思ったのは
シルバさんもイルミも、アルカの能力を利用しようとしてること


たしかに、除念師いらずだしものすごいパワーだったけど、アルカのことをこんな風に危険物みたいに扱うような人たちに、あんなに力を使うアルカの能力を利用して欲しくない



でも、私にできることなんて何もない
せめてこうしてアルカと遊んであげるくらいしか…





.
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ