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□変質者
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200階行きを辞退し、また1からやり直しになった私は1回目の時よりも早いペースで階数を上げていた





「今日はやけに人が多いなぁ
イベントでもあるのかにゃ?」



今日も元気に弱いものいじめに励んでいると、いつもより人が多い気がしたので見に行くことにする



「ヒソカvsカストロ戦のチケットまだあるよー」



ヒソカ?
あ、そういえばイルミがこっちに戻ってるって言ってたっけ



「カストロ…って誰?
カリオストロの城みたいな名前してるけど」



見渡すと、どこもかしこもヒソカとカストロって人の試合の広告ばっかり
カストロに至っては テレビ出てるし



「へぇ、キレイな顔
実物みたらもっとキレイかも」



試合いつなんだろ…って、今日じゃん
ってことは、こんなとこいる場合じゃない…





「やぁ♡ラム 久しぶり♡」

「! ヒソカっ!? いつの間に?」



こんなところでウロウロしてたらヒソカに遭遇してしまうので、今日はおとなしく引きこもっていようと思った矢先、見事にヒソカに遭遇してしまった



こういうの腐れ縁っていうのかな?
ってか、縁できるの早すぎない?



「また腕をあげたみたいだね♡
ボクと戦いにきたのかい?」



白昼堂々と セクハラまがいの視線を上から下まで浴びせてくる
まじ、見てるだけで罪に問われてくれないかな?



「違う」

「それは残念♣
まぁ、今日はボクも先約があるからね♦」



そうだよ、こんだけ盛り上がってるんだからもう少し準備とかするもんじゃないの?



「ラムがここにいることは知っていたよ♦大人気だからね♡」



ってか、相変わらず背が高い
目線を合わせるのにこの距離だと上を向かないといけないのがなんか癪



「可愛いからね、目立っちゃうの
ねぇ 今日勝つよね?」

「ククッ、心配してくれるのかい♡」



ほんの少しでも応援してあげようって思った自分がばからしくなる

心配もなにも、一応 友達なんだから 応援とかするに決まってるじゃん?



「まぁ多少はね
まだすっぴん見せてもらってないんだから
死なれたら困るし」





言動のキモさでたまに忘れてしまうけど、ヒソカのすっぴんは(黙っていれば)私が今まで出会った中で1番の美形
悔しいけどクロロを唯一超えた美しさをもっている




「キスの続きもあるしね?」

「なにそれ、覚えてない」



そうだった…
試験終わったあと、おでこにキスされたんだっけ
普通に忘れてた…



「それじゃあ、思い出させてあげる♡」

「間に合ってるから」

「つれないなぁ♪」





あぁ、いくら素顔イケメンだからってこんな稀代の変質者に心奪われた自分が憎い

本当に顔がよければいいっていう、生粋のメンクイの自分があまりに哀れでならない


あ、違う、顔と金 どっちもあるんだった……ただ、ひたすら狂気じみてるのと殺人鬼なんだった…



「ボクの部屋ここだから 何かあったらおいでよ♣いつでも歓迎するよ♡」



そう言ってヒソカは部屋のカードキーを渡して去って行った




え?ってか、普通カードキー渡す?!
防犯意識どうなってんの?



ルームナンバー見るとまじでご近所さんだった…
このキー、クロロに見つかったら大変だなぁ


って、いくら友達で可愛い女の子だからって、ここのキー渡すってどんな神経してんの?




「本当、意味わかんない」





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