chain
□さいかい
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クラピカと離れ、別々に動くようになってからも頻繁に連絡を取り合っていた
クラピカはあの斡旋所で狙っていた通り、マフィアのボディガードとなり無事にヨークシンのオークションへ向かうことが決まっていた
私はというと、実はすでにヨークシンにいた
クラピカと別れた後、私なりに旅団を調べその足取りを追っていた
幻影旅団は団長と12人の団員で構成されている少数の超精鋭集団
団員になるには団長がスカウトするか入団希望の者が、団員からその座を奪う、つまり殺すしかない
ということは、例え12本の足を1つずつ葬ったところでとかげの尻尾のように再生する
クラピカの望む旅団の殲滅には 頭、つまり団長を潰すのが最も手っ取り早い
頭を獲れば蜘蛛は死ぬ
狙うべきは足ではなく頭
それにしても、幻影旅団はまさに霧に浮かぶ幻のよう、全く足取りが掴めない
まさに、雲を掴むような途方もなさだ
そこで私が狙ったのは、旅団潜入だったのだけど
よく考えたらクラピカの敵なのに嘘でも潜入するのはきっとクラピカがよく思わないと思ったので却下
私は現在 ヨークシンシティにある企業の社長に取り入り 秘書という業務の傍ら社長の持つコネクションをフルに活用して旅団の足取りに関する情報収集に徹していた
それによると、既に旅団の何人かはヨークシンに向かっているあるいは滞在しているとの情報があった
もちろん、全ての情報を鵜呑みにしていたらこんなのやっていられないのはわかっていてもほんの少しでも可能性があるなら私は何でもする
せめてクラピカに会うまでに幻影旅団の顔と名前を知っておきたい
そしてできるなら、奴らの能力を……って、クラピカに無理するの禁止って言ってるくせに私がそんな無謀なことしてどうするの…
せめて顔、それだけでも知ることができればだいぶ違う
「それでは社長 失礼いたします」
社長秘書としての仕事を終え、私は情報にあったヨークシンの外れに向かった
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