chain

□とっくんかいし
2ページ/2ページ

_____





制約と誓約
私にあってクラピカにないもの





『私はこの力を蜘蛛を捕らえることにのみ使用する、それを破れば私は死ぬ』





クラピカの覚悟は私なんかが簡単に手伝うとか、力になりたいとかいうレベルじゃなかった





『私にも、それやって
私も誓うから クラピカお願い』

『それはできない』

『どうして?!
私はクラピカの力になりたいの
もっと強い力が必要なの!』





大事な友達は命をかけたのに
その横で私は何にもリスクを負わずにただ口先だけで 協力するだとか言えないよ


私にも背負わせてよ
クラピカの抱えてる大きすぎる荷物





『やめとけラム
その石頭は、お前には刺さない』

『センセ…』

『こいつにはこいつの信念がある
覚悟がある
それはいくら他人が口先で力になると言っても全く同じものを共有できるもんじゃない
お前の念は、お前のものだ
だから、お前の信じるものを貫けラム』

『私の信じるもの………』





_____






私にできることはなんだろう





クラピカが対旅団用の念を完成させていく傍で私はまだ力を決めきれずにいた





私には覚悟がないんだ
命をかけれる何かが、私にはない
クラピカとは違う



クラピカには、覚悟も信念も、それを貫く強い心も力もある



私にはそれらがない





「サボりか?」





空を見上げていると、センセが横に腰を下ろして来た





「瞑想中」

「迷走、の間違いだろ」

「…、
センセ……」

「お前に制約と誓約は必要ない」

「…わかってるよ
私にはクラピカみたいな強い覚悟なんてないもん
きっと 形ばっかり誓約して破っちゃうのがオチ」

「お前とクラピカが違うのは当然だろ
違う人間なんだから」

「そーだけどさ
友達は命かけてるのに、私は命かける覚悟も度胸もないなんて」





クラピカと友達でいていいのか
このままクラピカと一緒にいていいのか、不安になる



どんどんクラピカが遠くに行っちゃうような気がして、どんどん 私の手の届かない人になっちゃうような気がして





「お前、クラピカに惚れてんだろ」

「は?!」





.
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ